韓国初の培養シーフード工場設立へ、Umami Bioworksが戦略的パートナーシップを締結

シンガポールの培養シーフード企業Umami Bioworksが、韓国のバイオテクノロジー企業KCell BiosciencesおよびWSGとの戦略的提携を締結しました。

韓国で培養シーフードのスケーラブルな生産パイプライン確立や、GMPに準拠した培養ウナギなどの生産ハブ設置に共同投資を行う予定です。

韓国市場に可能性を見いだす


今回の提携は、Umami Bioworksの培養技術、KCell Biosciencesの低コスト培地、WSGのバイオプロセス機器とバイオリアクターを活用し、迅速な製品化の実現を目指すもの。

Umami BioworksのCEOを務めるMihir Pershadは、「緊密な協力で生産ソリューションを最適化し、韓国初となる培養食品の生産施設を立ち上げたい」とコメントしています。

シーフード消費量が多く、細胞ベースの食品に対する消費者の関心も高まっている韓国では、このパートナーシップが活用できる大きな市場があるものとみられます。

同国で新規食品の規制を管轄する食品医薬品安全処(MFDS)は、今年2月に培養肉・シーフードなどの細胞性食品に係る規制認可の枠組みを確立し、企業からの認可申請受け付けを開始。

Umami Bioworksが主導するコンソーシアムは、MFDSの規制要件を満たすことに注力し、培養シーフードの市場投入を促進します。

アジア全域でプレゼンスを拡大


Umami Bioworksは、機械学習や自動化を生産システムに組み入れ、ウナギやマグロなど、持続可能な養殖が困難な魚種を開発。

「利害関係者が培養シーフード市場に参入するための持続可能なプラットフォームを構築する」という長期的なビジョンに沿って、スケーラブルなプラグ・アンド・プレイ生産設備の確立を進めてきました。

その上で、「生産に欠かせないハードウェアと原料を要求に見合った価格と量で供給できる、主要な戦略的サプライヤーとのパートナーシップを確保することが肝要だ」とCEOのPershadは語っています。

同社はアジア全域でプレゼンスを拡大しており、マレーシアの同業Shiok Meats買収や、インドでのパートナーシップを締結。日本でもマルハニチロと提携して生産インフラを確立しています。

参考記事:
UMAMI Bioworks to Establish South Korea’s First Cultivated Seafood Facility Through Strategic Partnership
Umami Bioworks Inks Deal to Introduce Cultivated Seafood in South Korea

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