IngredionとLantmännenが提携、高品質なエンドウ豆タンパク質分離物の製品ポートフォリオ開発へ
米国・シカゴに拠点を置く原料大手のIngredionと、スウェーデンの農業協同組合Lantmännenが長期的なパートナーシップを締結したと発表しました。地元産の黄色エンドウ豆を原料とする植物性タンパク質分離物の開発を進めます。
急成長する代替プロテイン市場への対応力を拡大
この提携は、販売から製品イノベーション、プロセス改善まで、両社の能力を拡大することに重点を置いています。その目的は、高品質の植物性タンパク質を使用した健康的な製品を求める消費者ニーズに応え、欧州を皮切りに成長する代替プロテイン市場に供給すること。
The Good Food Institute(GFI)の最新の分析によると、ドイツ、フランス、イタリア、オランダ、スペイン、英国における植物性食品の売上高は2023年に54億ユーロ(約8,800億円)に到達。2022年から金額ベースで5.5%、販売量は3.5%増加しました。
Lantmännenは、エンドウ豆からタンパク質分離物を製造する垂直統合された生産能力を提供し、Ingredionの販売力とプロセスエンジニアリングおよび製品開発における専門知識を活用。Ingredionとしては、欧州市場における事業基盤を拡大させる狙いもある様子です。
両社は、今月19日から21日までドイツ・フランクフルトで開催される「Fi Europe 2024」で、それぞれに植物性タンパク質のイノベーションを展示する予定です。
グローバルに展開する大企業同士が連携
Ingredionは世界120カ国で事業を展開するグローバルな原料サプライヤーであり、2023年の純売上高は約80億ドル(約1兆2,300億円)。最近開発した製品には、ヴィーガンチーズに機能性を付加するコーンスターチや、代替肉・乳製品、ベーキング製品などに使えるシトラスファイバーがあります。
一方のLantmännenは、スウェーデンの農家18,000軒が所有者となった同国最大の農業協同組合で、20カ国以上で事業を展開しており年間売上高は70億ドル超(約1兆円)。
先日、国内にエンドウ豆とソラマメをタンパク質分離物へと加工する施設を建設するため、大規模投資を行うと発表しました。この工場は2027年に完成予定で、年間7,000トンの生産が可能になる予定です。
また、植物性タンパク質を美味しく栄養価の高い製品に加工する方法を研究し、スウェーデン政府から354万ユーロ(約5億7,800万円)の資金提供を受けたPAN Swedenとも連携しています。
参考記事:
Ingredion and Lantmännen Create Strategic Partnership to Accelerate Development of Plant-Based Proteins | Ingredion Incorporated
Ingredion and Lantmännen form strategic partnership to accelerate the development of plant-based proteins
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