米Tender Foodとタフツ大学、培養細胞と植物由来成分で作るハイブリッド肉製品の共同開発へ向け提携

米国・ボストンを拠点とする植物性食品メーカーのTender Foodが、培養した動物細胞と植物性原料を組み合わせたハイブリッド肉製品に対する2年間の研究開発資金として、約100万ドル(約1億4,400万円)の助成金を獲得したことを発表しました。

タフツ大の細胞農業の権威と協働


Tender Foodが獲得したのは、米国科学財団(NSF)が実施する、競争力の高い中小企業技術革新制度(SBIR)フェーズII 助成金。

共同創業者でCEOを務めるChristophe Chantreは、「美味しくて手頃な代替肉を作ることは、気候変動との闘いにおいて不可欠だが、その実現のためにはより良いツールが必要。このような画期的な食品技術の開発を支援してくれる、NSFの支援に感謝したい」と語っています。

今後、タフツ大学細胞農業センター(TUCCA)に所属するDavid Kaplanの研究室と共同で、培養細胞が同社の植物性代替肉の風味、香り、栄養を向上させるかどうかについての調査を行う予定。

消費者にとって魅力的な、栄養価が高く美味しいハイブリッド肉製品を開発し、市場投入の可能性を探ります。

植物性タンパク質の繊維を「紡ぐ」独自技術


ハーバード大学とヴィース研究所で開発された次世代の製造と材料科学のイノベーションを活用するTender Foodは、鶏胸肉、プルドポーク、ステーキなど、よりヘルシーなホールカットの代替肉を製造する企業。

植物性タンパク質を繊維状にし、筋繊維の束のように「紡ぐ」ユニークな技術を有しています。これにより複雑な構造を模倣することができ、あらゆる種類のホールカット肉が製造可能に。

同社の代替肉は、添加物や結着剤を使用しないにもかかわらず、高タンパク質で栄養価が高く、動物性の肉と見分けがつかない食感と調理特性を持つといいます。

同社は2021年にもNSFから25万6,000ドル(約3,700万円)の助成金を得て、培養肉生産用のゼラチン製足場を開発。昨年には、製造ラインの規模拡大のため、女優のナタリー・ポートマンを含む投資家からシードラウンドで1,200万ドル(約17億3,000万円)を調達しました。

外食産業の顧客に代替肉を供給しており、レストランと提携して、肉がメインとなる料理のヴィーガンバージョンの発売を支援しています。

参考記事:
Tender Food and Tufts University to Explore Hybrid Meat Products Made with Cultivated Cells and Plant-Based Meat
Tender raises $12M to make more realistic plant-based meat

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