タイの食肉大手Betagro、アジア展開を狙うオランダの培養肉企業Meatableに投資

オランダの培養肉企業Meatableが、食肉や飼料の生産・販売を手掛けるタイ企業Betagroのベンチャーキャピタル部門、Betagro Venturesから戦略的投資を受けたと発表しました。

アジア全域における成長を加速


タイを代表する総合食品企業のBetagroは、飼料、医薬品、畜産品、卵、加工食品、ペットフード、食品流通などのバリューチェーン全体で幅広く事業を展開。タイ、カンボジア、ラオスにも拠点を構え、世界20カ国以上に輸出しています。

また、持続可能な成長を実現するためESGの枠組みに沿って事業を行うことを最重視し、2022年には「Meatly!」ブランドで植物性食品事業に参入。今年立ち上げたBetagro Venturesを通じては、Meatableのほか、ウキクサ由来のタンパク質を商品化している米国のPlantible Foodsにも投資を行っています。

Meatableは、オランダ本国より先にシンガポールで複数回の試食イベントを開催しており、近く販売認可も得られる見込み。

アジア市場への深い理解と広範なネットワークを持つBetagroとの提携により、シンガポールを含むアジア全域における成長とプレゼンス拡大を加速させたい考えで、他企業との共同開発プロジェクトや戦略的パートナーシップの機会も見込んでいます。

さらなる大型の資金調達を狙う


Meatableは今年、米国の食肉業界で25年以上の経験を持ち、大手食肉処理会社パーデュー・ファームズの社長などを歴任したJeff Tripitcianを新CEOに招聘。同時に、タイソン・フーズの前社長兼CEOを務めたDean Banksが取締役に就任しました。

多能性幹細胞を培養する同社の特許技術「OPTi-OX」は、わずか4日間で完全に分化した筋肉と脂肪細胞を得られるという、業界最速のプロセスを確立したもの。圧倒的な効率性と環境フットプリントの小ささが評価され、米『TIME』誌の「The Best Inventions of 2024」に選ばれています。

同社は昨年、オランダで新たなパイロットプラントを立ち上げるため3,500万ドル(約54億2,000万円)の巨額調達を行っており、これまでに総額9,500万ドル(約147億円)の資金を確保。次なるラウンドでさらに3,000万ユーロ(約48億7,000万円)を調達するべく、先日Desmos Capital Partnersと提携に至っています。

今年は、オランダでもEU初となる培養肉の試食イベントを開催し、培養豚脂肪と植物性タンパク質をブレンドしたハイブリッドのポークソーセージを披露しました。

参考記事:
Meatable welcomes strategic investment from Betagro, a leading meat industry company, marking a significant milestone in cultivated meat – Meatable | Real Meat. Real Science. Real Solutions.
Thailand’s Leading Meat Company Betagro Invests in Meatable to Fuel Asian Expansion

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