白色クロレラで食品業界の変革を狙う英Algenuity、オランダ・ロッテルダムに欧州本社を開設

食品・飲料分野における藻類の活用を進める英国企業のAlgenuityが、オランダ・ロッテルダムに欧州本社を設立したと発表しました。

ニュートラルな色と味を持つ白色クロレラ


Algenuityは英国内に構える研究開発施設は残したまま、欧州本社で藻類原料の生産・販売・流通を推進し、乾燥重量にして年間数千トンの供給を行う計画。

食品業界のイノベーションに積極的で、代替プロテインなど持続可能な食品原料の開発を推し進めるオランダで、強固なインフラ、革新的なバイオテクノロジーのエコシステム、欧州の主要市場へのアクセスを活用する狙いです。

同社は、白色クロレラ原料で食品・飲料業界の変革を狙い、2009年に設立されました。緑色をした従来のクロレラとは異なり、白色クロレラはニュートラルな色とクセのない味が特徴で、より広範な用途に適しているとのこと。

食品メーカーは、卵や牛乳、バターなどの動物由来原料の全部または一部を代替することで、飽和脂肪酸を減らし、アレルゲンを除去し、健康志向で環境意識の高い消費者の要求を満たす製品づくりが可能となります。

来年にも商業生産の開始へ


微細藻類の中でも認知度が高く食品への活用も進んでいるクロレラは、タンパク質と繊維のほかに抗酸化物質、ビタミン、ミネラルなどを含む栄養豊富なソリューションとして知られています。

しかしながら、独特の苦味と臭いのもととなる葉緑素(クロロフィル)を多く含んでいることが、主流の食品に組み込む上での障壁となってきました。

Algenuityは、天然の栄養素を保持しながらもクロロフィル含有量を大幅に削減することで、この問題を克服。美味しく栄養価の高い食品を求める消費者の増加に対応する持続可能なタンパク質源として注目を集め、2020年には世界有数の消費財メーカー、ユニリーバとも提携しています。

欧州本社の開設にあたり同社は、生産規模を拡大するため、微生物発酵を専門とするオランダのCDMO(開発製造受託機関)、Protinextと提携しました。これにより、市場投入に向けた十分な生産能力を確保し、来年にも商業生産を開始する予定です。

創業者でCTO(最高技術責任者)を務めるAndrew Spicerは、「白色クロレラは単なる植物由来成分ではなく、持続可能性と機能性において一歩進んだ利点を持つ、食品・飲料業界にとって画期的な素材だ。この優れた原料を市場に供給し、新たな基準を打ち立てたい」とコメントしています。

参考記事:
Algenuity establishes European headquarters in Rotterdam, the Netherlands | The Plant Base
Algenuity selects Rotterdam for European headquarters | PPTI News

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