小売り大手Ahold Delhaize、2030年までに欧州における植物性食品の販売比率を50%に引き上げる目標を発表

オランダに本社を置く多国籍小売りグループのAhold Delhaize(アホールド・デレーズ)が、2030年までに欧州の各保有ブランドから販売するタンパク質の50%を植物性食品にする目標を発表しました。

排出削減と健康促進のための施策


各ブランドが採る具体的な戦略は、それぞれの市場の特性や消費者の嗜好によって異なりますが、植物性食品のプロモーション強化、ロイヤルティプログラムやインセンティブを利用した販売促進、消費者に持続可能な食生活のメリットを伝える教育コンテンツへの投資といった施策が展開される予定です。

販売に占めるタンパク質の構成バランスを見直すことによって、Ahold Delhaizeは、95%に上るとされるScope 3排出量(自社以外のサプライチェーン内で発生する排出)を削減したい考え。また、植物性食品への移行を促進することで、消費者の健康目標の達成にも寄与できるとの認識です。

欧州部門のCEOを務めるClaude Sarrailhは、「お客様にとって本当に大切なものに焦点を当て、より健康的で持続可能なライフスタイルを提案したい」とコメント。

「私たちの目標は、多様な食の嗜好を尊重したサービスを提供するとともに、プラントベースの選択肢をより頻繁に試してみるよう促すことだ。週あたり何百万人にも及ぶお客様の買い物習慣を少し変えるだけでも、人と地球の健康に良い影響を与えられる」と話しています。

ドイツの小売りLidlも新たな目標を設定


Ahold Delhaizeが欧州で展開するブランドには、オランダで約700店舗を展開する大手スーパーのAlbert Heijn(アルバート・ハイン)や、Delhaize、ECサイトのBolなど。

Albert Heijnは以前から、2030年までに消費されるタンパク質の60%を植物性食品にするという目標を掲げており、2023年時点では44.1%となっていることを明らかにしています。

こうした取り組みが評価され、Madre Bravaが昨年発表した報告書では、スーパーマーケットを展開する欧州の企業グループの中で、人類と地球の健康目標を達成する可能性が最も高い企業として、Ahold DelhaizeとLidlが挙げられていました。

ドイツの小売り大手Lidlは、自社ブランドの植物由来製品に、動物由来の従来品と同等の価格を導入。従来はまとめて専用棚に陳列されていた植物性食品の誘目性を高めるため、動物性食品のすぐ隣に陳列する施策も取り入れ、その結果売り上げが大幅に増加したことも報告しています。

先月には、事業展開する31カ国のすべてにおいて、2030年までに植物性食品の販売比率を20%増加させるという新たな目標を発表しました。達成に向けた今後の進捗は、年次で公開される予定です。

参考記事:
Ahold Delhaize to Sell 50% Plant-Based Proteins in Europe by 2030
Ahold Delhaize Aims For 50% Plant-Based Protein Sales In Europe By 2030 | ESM Magazine

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