米ダンキンドーナツ、国内の9,500店舗で代替ミルクへの追加料金を撤廃

コーヒーチェーンとして米国第2位の規模を誇るダンキンドーナツが、国内に展開する9,500以上の店舗で植物性ミルクに課していた追加料金を、3月4日をもって廃止することを決定しました。
同様の施策はスターバックスなど他社でも見られ、大手コーヒーチェーンの間で、代替乳製品の価格見直しに踏み切る動きが加速しています。
乳糖不耐症への不公平をなくす施策
これまでダンキンドーナツでは、店舗によって異なるものの、コーヒーをオーツミルク仕様に変更する場合、最大で2ドル(約300円)の追加料金がかかっていたとのこと。
これを廃止するという決定は、顧客からのフィードバックや集団訴訟、植物性ミルクの追加コストに反対するキャンペーンを展開しているNPO、Mercy For Animalsなどとの話し合いを経てなされました。
反対派の主な主張は、代替乳製品に追加料金を課すと、乳糖不耐症の人々に不公平になるというもの。Mercy For Animalsは、追加コストを撤廃することで、乳糖不耐症を抱える消費者にとって代替乳製品の選択肢をより利用しやすくできるとしています。
同団体のJennifer Behrは、「ダンキンのこの画期的な決断を讃えたい。乳製品を摂取できない、あるいは摂取しない選択をした人々にとって障壁となっていた追加料金をなくしたことは、公平性と持続可能性の面で大きな進歩だ」とコメントしています。
5大コーヒーチェーンすべてで追加料金が廃止に
もう一つの大きな論点となっていたのが、酪農生産が環境に与える影響についてです。研究によると、植物性ミルクの代表格、オーツミルク製造に伴う温室効果ガス排出量は従来の酪農に比べて大幅に少なく、水や土地の利用も大幅に少なくて済むとのこと。
Mercy For AnimalsやPETA、Switch4Goodといった団体は、コーヒーチェーンに対し、こうした環境上の利点を認識した上で価格政策を検討するよう求めており、「No Milk Tax」というオンラインで署名活動を行うキャンペーンも展開されています。
世界最大のコーヒーチェーンとして人気のスターバックスも、この追加料金が乳糖不耐症の顧客に対する差別だと非難され、500万ドル(約7億5,000万円)の訴訟に直面。
植物性ミルクの人気がミルク市場全体の15%を占めるまでに高まりを見せる中、昨年11月から、すべての直営店で植物性ミルクへの追加料金をなくしました。
Dutch Bros Coffee、Tim Hortons、Scooter’s Coffeeもこれに続き、ダンキンドーナツを含めて米国のコーヒーチェーン売り上げ上位5社が追加料金の撤廃に踏み切っています。
参考記事:
Victory: Dunkin’ Removes Upcharge for Plant-Based Milk!
Dunkin’ Becomes Latest Coffee Chain To Scrap Dairy-Free Milk Surcharge
Dunkin’ Joins Major US Coffee Chains Offering Free Nondairy Milk – Bloomberg
Dunkin’ to end non-dairy upcharges after guest feedback
この記事へのコメントはありません。