南アフリカの精密発酵企業Immobazymeが、生物学的製剤のプラットフォーム拡大のため約2.3億円を調達

南アフリカのバイオテクノロジー企業Immobazymeが、University Technology Fund(UTF II)が主導した資金調達ラウンドで、2,500万ランド(約2億2,800万円)を確保したと発表しました。
安価な生物学的製剤の安定供給へ
このラウンドには、Fireball Capitalと、ステレンボッシュ大学が保有する投資機関University of Stellenbosch Enterprises(USE)が参加。昨年6月に実施したラウンドと合わせて、Immobazymeの累計調達額は約5,000万ランド(約4億5,500万円)に達しました。
調達資金は、独自の精密発酵技術を基盤とする生物学的製剤プラットフォームの拡大と、治療薬プログラムの推進に充てられます。
同社はまた、ケープタウンに1,800平方メートルの施設を建設する予定。最先端の研究開発ラボと生産用クリーンルームを完備した新施設で、高付加価値で手頃な価格の生物学的製剤を求める国内外のパートナー企業に供給を行う計画です。
CEOのDominic Nicholasは、「当社のプラットフォームはすでに測定可能な成果を生み出しており、生物学的製剤の分野における最も困難な課題の解決に近づいている」と語っています。
アフリカの輸入医薬品への依存度低下を目指す
2019年に設立されたImmobazymeは、入手しやすい生物学的製剤への需要の高まりに応えるべく、精密発酵技術を活用した持続可能なタンパク質生産を目指して開発を進めてきました。
対象分野は多岐にわたり、食品・飲料(製品例:サラミ熟成用の新規原料、培養肉)、化粧品(脱毛治療薬、アンチエイジング効果のある合成ヒト遺伝子組み換えオリゴペプチド-1)、機能性食品、医薬品(再生医療等製品、代謝を調節する成長因子IGF-1)、研究用途(細胞培養用培地)などに対応しています。
現在、アフリカでは消費する医薬品の大部分を輸入に頼っており、有効成分の大半も外部調達されているのが現状。Immobazymeはこの依存構造の解消に向けて積極的な取り組みを進めています。
同社によると、現在の生産プラットフォームは複数分野にわたる製品とパートナーシップを支えており、アフリカ内外での事業展開により収益面でも前年比で堅調な成長を遂げているとのこと。今後1年間で、人員と製品ポートフォリオの拡大を計画中です。
参考記事:
Immobazyme Raises R50 Million to Scale Biologics Platform | Business Tech Africa
Immobazyme Raises $2.9M to Expand Precision Fermentation-Based Biologics Platform
South African Biotech Startup Immobazyme Secures R25m in Growth Funding to Advance Local Biopharma Production – Tech In Africa


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