フランスのJay&Joyが、カシューナッツチーズの欧州展開拡大に向けて約3.7億円を調達

フランス有数の植物性チーズのスタートアップJay&Joyが、欧州全域での事業拡大を目指し、200万ユーロ(約3億6,700万円)の資金調達に成功したと発表しました。

経済的な苦境を乗り越え、売り上げを拡大


今回のラウンドは既存投資家のDemeterBeyond ImpactMindstoneViveganが主導し、Makesenseなどの新規投資家も参加しました。

Jay&Joyは、2015年にMary CarmenÉric Jähnkeによって設立された企業。フランスの伝統的なチーズ製造の技術を採用し、カシューナッツを原料に用いた代替チーズを開発しています。

同社はフランスで職人技によるヴィーガンチーズの先駆けとなり、「Joséphine」(ブリー/カマンベール)、「Le Jeanne」(ロックフォール)、「Juliette」(エメンタール)などを提供していました。しかし2023年、同社のチーズに関連したリステリア症の発生報告が上がったことを受けて、生産停止を余儀なくされます。

その後、同社は破産管財人の管理下に置かれ、最終的に元マッキンゼーのCésar Augierや、ベンチャーキャピタルHigh Flyers Capitalなどからなる投資コンソーシアムによって買収されました。

Augierが新CEOに就任して間もなく生産を再開し、流通チャネルを再構築するとともに、フランス国内および欧州全域での事業拡大に注力。その結果、翌年の2024年には売上高が90%増加しています。

より多くの消費者にリーチするため、1年前にも同額の200万ユーロを調達して、競合するヴィーガンチーズメーカーLes Nouveaux Affineursを買収。カマンベールチーズやクリームチーズの代替品を加え、製品ポートフォリオを拡充しました。

今後に向けては、製造設備の強化・最適化で生産能力を大幅に増やし、2027年までに年間300万個超への引き上げを目指します。

欧州で復活を果たした植物性チーズ市場


Jay&Joyの製品の特徴は、厳格な発酵と熟成プロセスにあります。すでに欧州の10カ国で販売されており、2025年には英国の独立系店舗でも販売を開始。今回の資金調達により、欧州全域での販売網を拡大していく予定です。

同社の傘下となったLes Nouveaux Affineursも、昨年夏にMonoprix、Franprix、Intermarché、Carrefourといったフランスのスーパーマーケットで販売を開始しました。すでに国内の1,000店舗で取り扱われていますが、今年は積極的なブランド強化を目指して、年末までに販売拠点を2,000カ所に増やすことを目標としています。

「味や楽しみを損なうことなく、植物由来のチーズを誰もが手軽に楽しめるようにするのが目標だ」とAugierはコメント。「欧州全域における販売実績をさらに強化し、食の変革に貢献すると同時に、当社独自の強みであるチーズ作りの文化、最小限の加工にとどめた製品、高い品質基準、そして環境への深い敬意を守り続けていきたい」と話しています。

欧州では、植物性チーズ業界が一時の停滞から復活を果たしています。2024年には、主要な6つの市場のうち4つで植物性チーズの売り上げが増加し、イタリアとフランスではその他すべての植物性食品セグメントを上回る成長率を記録しました。

この成長を牽引しているのは、ココナッツオイルをベースとした第2世代の製品ではなく、従来のチーズに近い職人技による代替チーズを製造するスタートアップ企業です。

その例として、新鮮なアーモンド由来のモッツァレラチーズを主力商品に持つイタリアのDreamfarmは、2025年の売上高を前年比2倍以上となる200万ユーロ(約3億6,700万円)に伸ばしました。オーツミルクを原料としたシェーブルチーズで知られるフィンランドのMö Foodsは、1月に欧州全域への拡大のため240万ユーロ(約4億4,000万円)を調達しています。

参考記事:
Faux fromage leader Jay&Joy wins £1.7m investment for growth | News | The Grocer
‘Cash-ew Cheese’: France’s Jay&Joy Raises $2.3M to Boost Scale-Up & European Expansion
French plant-based cheese producer Jay&Joy raises €2m to fuel growth | FoodBev Media

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