イスラエル企業のMeala FoodTech、単一原料で作られるクリーンラベル代替卵を発売

イスラエルのフードテック企業Meala FoodTechが、ベーカリー用途において卵と同等の性能を発揮する、クリーンラベルのエンドウ豆タンパク質パウダーを発売しました。

少量の添加で効果を発揮する代替卵


Groundbaker」と名付けられたこの原料により、メーカーはコスト削減、供給が不安定な卵への依存度低下、そしてシンプルな配合が可能に。

アレルゲンフリーで優れた保水性を持ち、ゲル化・結合・起泡・乳化特性により、卵の代替品として幅広い食品用途において卓越した機能性を提供するとされています。

すでに食品業界の複数のプレーヤー、特に消費者向けベーカリー製品のメーカーや業務用ケーキミックスのメーカーから関心を寄せられているとのこと。

少量の添加でも効果を発揮する効率性により大幅なコスト削減が可能で、マフィンなどの用途では、卵使用時と比較して最大30%のコストを削減できるといいます。

Meala FoodTechの共同創業者でCEOを務めるHadar Ekhoiz-Razmovichは、「化学的改変や過度の加工を避け、環境に優しく効率的、拡張性のある独自プロセスで、エンドウ豆タンパク質を高機能性原料へと昇華させている。これによりエンドウ豆の天然の栄養価を保持しつつ、結合やゲル化といった特質を引き出せる」と説明。

「多くの機能性を持つ卵は、ベーキング用途において土台となる原料とされている。ベーカリー製品で求められる膨らみや軽さを単一原料の代替品で実現することは極めて困難だが、Groundbakerはこの要求を完璧に満たすものだ」と語っています。

欧州で流通確保に向けた提携を実施


鳥インフルエンザの影響でサプライチェーンが混乱する中、粉末卵の生産者の中には価格調整を見越して供給を遅らせる動き*1 もあり、供給不足が深刻化。米国では卵の価格が史上最高値に達し、欧州でも10年ぶりの高値を記録する中、食品メーカーは対応に追われています。

米国では緑豆ベースの「JUST Egg」のような植物性液卵製品の売り上げが急増し、ベーカリー業界でも切り替えが進んでいる様子。

多くの消費者がアレルギーやフレキシタリアン(柔軟な菜食主義)のライフスタイルを理由に卵の消費量を減らしている動きも相まって、代替卵への需要は高まるばかりです。

Meala FoodTechはこれまでに800万ドル(約11億8,000万円)の投資を確保しており、間もなく次の資金調達ラウンドを開始予定。

今年6月には、代替肉向けに設計されたテクスチャードエンドウ豆タンパク質「Vertis PB Pea」の商業化に向け、dsm-firmenichと提携しました。この製品は、増粘多糖類など植物性代替肉製品に一般的に使用される結合剤を置き換えるものです。

同社はまた、欧州に本社を置く世界有数の食品原料企業との戦略的提携を結びました。両社は投資に加え、マーケティングと流通面でも協業。これにより「Groundbaker」の新たな流通ネットワーク開拓が期待されます。

参考記事:
Meala Launches Clean-Label, Single-Ingredient Egg Replacer
Meala Targets Egg Crisis with One-Ingredient Pea Protein Replacer
Meala FoodTech launches Groundbaker, a clean-label egg replacer for baked goods | PPTI News
*1 Egg prices fall in US, rise in Europe

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