チェコのBeneMeatが培養ドッグフードを試せる消費者向けプログラム「Try & Share」を開始

チェコの培養肉企業BeneMeat(旧称:Bene Meat Technologies)が、欧州連合(EU)全域で犬と暮らす人を対象にした、新たな試験プログラム「Try & Share」を開始しました。
参加者は同社の培養ドッグフードを試して、味や安全性、品質に関するフィードバックを提供する機会が得られます。
フィードバック収集と認知度向上を図る
このプログラムは、獣医師やペットフードメーカーと共同開発された革新的な培養ペットフード製品について、消費者の意見を収集すると同時に、培養肉に対する認知度向上を狙ったもの。
専用ウェブサイトからオンラインで登録を行った参加希望者に対して、7日分のサンプルパックが近日中に発送される予定です。
BeneMeatは自社の犬用スナックについて、欧州の大学で実施された培養キャットフードの厳格な安全性・消化性試験を基盤としており、最高品質基準を満たすことを保証する姿勢を強調しました。
CEOのRoman Křížはプログラムの目的について、「模造品ではなく、犬が本当に美味しいと思える製品を目指している」と説明。「この取り組みは、培養肉をペットとその飼い主にとってより身近なものにするだけでなく、社会や規制当局が培養肉の本質と重要性を理解する一助となるだろう」と述べています。
同社はプログラムを通して、細胞培養製品の生産方法を示して味と品質を紹介するとともに、規制当局や一般市民に将来の食料システムにおける潜在的な役割を明確に示したい考え。
参加者は製品に関するフィードバックの提供に加えて、SNS上でハッシュタグ「#FirstBite」「#TryAndShare」を付けて体験を共有するよう推奨されています。
EUでは販売に必要な登録を完了
BeneMeatは、消費者から直に得られたフィードバックを活用して製品を改良し、必要な規制当局の承認を得た上で、最終的には犬用スナック以外へも培養肉製品ラインの拡大を計画しています。
同社は2023年11月に欧州飼料原料登録機関(European Feed Materials Register)への登録を完了し、EUにおいてペットフード用培養肉メーカーとして正式に認められた初の企業になったと主張しました。
EUでは、動物用の飼料原料は市販前承認を必要とせず、飼料原料リストへの登録を済ませることで販売が可能になります。
同社のほかにも、ヒトの食品と比べて規制経路がより明確なペットフード市場に注力する培養肉企業はいくつか見られ、米国のBioCraft Pet Nutritionも先日、EUで同じく原料登録を完了。コストダウンを推し進め、培養マウス肉で高級ペットフードと同等の価格を実現しました。
英国では今年初めに、Meatlyが培養鶏肉を使用した世界初のペットフード「Chick Bites」を発売。Friends & Familyは、シンガポールで販売認可を取得しています。
参考記事:
BeneMeat launches Try & Share Program today. The program invites those who want to provide products based on cultivated meat to their four-legged friends and share their experiences. – Bene Meat Technologies
BeneMeat launches EU pet food trial for cultivated meat dog treats | New Tech Foods
BeneMeat Begins EU Program to Test Lab-Grown Dog Treats with Pet Owners
BeneMeat launches EU ‘Try & Share’ program for cultivated pet treats | PPTI News
この記事へのコメントはありません。