独BLUUが培養シーフードから事業の幅を広げ、海洋由来の生物活性成分を美容・健康分野へ展開

培養魚の生産を専門とするドイツ・ハンブルクのバイオテクノロジー企業BLUUが、食品分野を超えて事業領域の拡大を発表しました。倫理的に調達されたトレーサビリティの高い海洋由来原料を携えて、美容・健康市場に参入します。

異なる市場をターゲットに3ブランドを展開


BLUUは、サケ科魚類の細胞を培養して生物学的に同等の海洋成分を生産する、独自の技術プラットフォーム「Bluu Zone」を開発。これにより、従来の漁業や養殖に伴う環境負荷を回避しつつ、人工添加物、抗生物質、マイクロプラスチックを含まない代替品が得られます。

共同創業者でCEOのSebastian Rakersは、「細胞レベルでは、当社の培養魚製品は天然または養殖サーモン由来のものと何ら変わりない。しかし完全にトレーサビリティが確保され、持続可能で汚染物質を含まない点が違いだ」とコメントしました。

新たな方向性の下で同社は、既存のシーフード製品群「BLUU Seafood」を基盤に、「BLUU Skincare」、「BLUU Health」という異なる市場をターゲットとした3つのブランドを展開します。

BLUU Skincare」は、スキンケア業界向けに医薬品グレードの生物活性成分を提供する予定。サケ科魚類由来の生物活性成分はアンチエイジングや皮膚の再生効果で知られ、とりわけ韓国コスメ市場などの美容業界で長年求められてきましたが、倫理的な懸念や調達難により普及が制限されてきました。

コンサルティング会社Defined by Insight ConsultingでCEOを務めるRichard Gilesは、「グローバルな美容ブランドは植物エキスからバイオテクノロジー主導の成分へと移行しつつあり、明確な効果をもたらす科学的根拠のある成分を求めている。BLUUの技術により、従来の調達方法に伴う環境や動物への悪影響なしに、有効性が認められてきた生物活性物質を利用できるようになるだろう」と語っています。

また「BLUU Health」では、ウェルネスと栄養分野での応用が期待される海洋由来の新カテゴリー製品を導入。サケ科魚類細胞の持つ特性を活用して、多様な効能を備えた汎用性の高いオールインワン海洋バイオ製品を提供します。

増加する培養魚スタートアップの多角化の動き


BLUUは美容業界のパートナー企業と共同で、実現可能性の調査と処方開発の取り組みをすでに開始しており、性能と拡張性を評価しながら基盤構築を進めている最中です。

食品以外の分野に手を広げる培養シーフード企業は同社だけではなく、シンガポールのUmami Bioworksは先日、スキンケア向けに海洋由来成分の展開を表明。シリーズの第1弾として、アニマルフリーのポリデオキシリボヌクレオチド(PDRN)を発表しました。

香港では、培養シーフードを生産しているAvantが2021年にスキンケア分野へと多角化し、再生ペプチド複合体「ZelluGEN」を主原料に新たなブランドを立ち上げ。こうした多角化の背景には、厳しい調達環境の中、市場化に時間のかかるシーフードだけでは収益化の目処が立たなくなっている事情があるようです。

その一方、規制認可の面では、今年は培養シーフード業界にとって画期的な一年となりました。米国ではWildtypeが培養サーモンの販売認可を取得し、現在では複数の州のレストランで提供が始まっています。

BLUUは数年前からシンガポールや米国での申請を進めており、やや時間がかかってはいるものの、CEOのRakersは「認可取得は時間の問題だ」と楽観しています。

参考記事:
BLUU Ventures Beyond Seafood Into Beauty and Health Markets | Protein Report
BLUU Expands Beyond Seafood, Bringing Cultivated Marine Ingredients to Health and Beauty
Germany’s Bluu Goes Beyond Cultivated Seafood with Move Into Health & Beauty

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