植物性食品ブランドのGreen Rebelがエアアジアと提携し、機内食で代替肉メニューを提供

インドネシアを代表する植物性プロテインのブランドGreen Rebelが、マレーシアの格安航空会社エアアジアとの提携により、代替肉を用いた東南アジアの伝統料理を機内食メニューとして提供開始しました。

伝統の味を代替肉で再現


今月半ばより、エアアジアのマレーシア路線ではナシレマ(写真、ココナッツミルクなどで風味付けした米料理)、フィリピン路線ではシシグ(細切れの豚肉を炒めた料理)が提供開始

続けて、ココナッツライスを添えたルンダン(牛肉をココナッツミルクとスパイスで煮込んだインドネシア料理)が、一部のインドネシア便のメニューに登場しました。

エアアジアのフードサービス子会社であるSantanが、これらすべてのメニューにおいて、従来の肉をGreen Rebelの植物性代替肉に置き換えたレシピを開発しています。

Green Rebelの共同創業者でありCEOのHelga Angelina Tjahjadiは提携にあたって、「当社とエアアジアとは、とりわけ持続可能性と地域の伝統的な味を追い求めるという点で、価値観が一致していた」と述べました。

パリ協定の目標に沿った取り組み


植物性プロテインはアジア料理の調理法に適しているとするGreen Rebelでは、全製品に100%天然植物由来の原料を使用。グルタミン酸ナトリウム(うま味調味料)*1、保存料、精製糖*2 は使用していません。

遺伝子組み換えでない大豆とシイタケをベースに、アジア特有のスパイスとハーブで味付けした、本格的な味を楽しめる代替肉製品に仕上げています。

持続可能であり、手頃な価格で美味しい植物性代替肉に強いこだわりを持つ同社。自社製品のライフサイクルアセスメントを独自に実施したところ、植物由来の牛肉や鶏肉は、従来の肉と比較して地球温暖化係数(GWP)が大幅に低かったといいます。

「当社の代替ビーフは、地元産の牛肉に比べてGWPが91%低く、同様に代替チキンは地元産の鶏肉に比べて同84%低いことが分かった。また、植物性代替肉の生産については、炭素排出量を90%、水使用量を72%、土地使用量を90%、全体的なエネルギー使用量を81%削減できると考えている」とCEOのTjahjadiは語りました。

代替プロテインの活用は、CO₂排出の多い航空業界に身を置くエアアジアにとっても、強力な一手となります。

エアアジアは昨年実施した最適化により、航空機1機あたり年間221トンのCO₂排出量を削減するなど、カーボンフットプリント削減への取り組みを積極的に推進。今回の新たな提携により、パリ協定の1.5℃目標に沿った施策をさらに進める狙いです。

*1 1960年代に健康被害を引き起こすという論文が発表され、現在でも欧米では製品パッケージに「NO MSG」の表示が見られる。ただし、現在では通常の使用量では問題ないとされており、WHO/FAOの食品添加物専門家会議 (JECFA) では一日摂取許容量を指定しておらず、米FDAもGRAS(一般に安全と認められる)認定を出している。
*2 砂糖の精製工程では動物の骨を使ってろ過が行われるため、ヴィーガンは白砂糖を摂取しない。

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