デンマークのAlgiecel、Novonesisの酵素製造拠点にて微細藻類の生産量を約5倍に拡大

デンマークの微細藻類原料メーカーAlgiecelが、同国カルンボーにあるバイオテクノロジー企業Novonesisの酵素製造拠点内に新たな生産施設を開設し、生産能力を約5倍に拡大しました。

供給が逼迫する魚油の代替品に


Algiecelは、新施設で2027年から年間12トンの微細藻類バイオマスを生産できる見込みで、魚油の代替品としてペットフードや化粧品のメーカーに供給する予定です。

この工場は、同じ敷地内にあるバイオガスプラントから回収されたCO₂を利用して稼働するものです。Algiecelによれば、数年にわたるパイロットスケールでの試験を経て、自社のプロセスが実際の産業規模生産の環境下でも機能することを実証済み。将来的に需要が増加した場合には、同じ設計のユニットを追加で設置すれば、生産能力のさらなる拡大が可能です。

魚油はペットフードや化粧品によく使われる成分ですが、今年は供給が逼迫しています。Algiecelは、ペルー、チリ、ノルウェーなどの主要国における魚油の生産量が、6月初旬の時点で昨年の水準を約31%下回っていたとするIFFO(海洋原料機構)のデータを引用しました。

また、気象予測では今後エルニーニョ現象の発生が見込まれていますが、この気象パターンは過去に魚油価格を史上最高値にまで押し上げた要因となっています。

こうした状況下で、ほかの微細藻類メーカーも同様の顧客層をターゲットにしており、スコットランドの企業MiAlgaeは、ペットフードメーカーへの供給を見据えて、昨年末に魚由来成分を含まないオメガ3生産施設の建設を開始しました。

新施設で商業規模の供給開始を目指す


Algiecelは、2024年に6,000万デンマーク・クローネ(約14億2,000万円)の資金調達を完了。この夏、商業規模の供給開始に向けた事業展開を主導する人材として、新たなCFO(最高財務責任者)と会長を任命しました。

現CEOのSusanne Palsten Buchardtは、「当社の顧客は、現在調達している魚油に代わる、スケーラブルで高品質、かつ持続可能な代替品を求めている。当社はまさにそれを実現する道を歩んでおり、パイロットスケールのリアクターを1万時間以上稼働させてきたが、生物学的プロセスは設計どおりに機能している」と説明。

「魚油の供給が極めて厳しい状況にある今、新施設は、産業規模の生産体制の下で顧客が必要とする量を確保し、信頼性の高い代替品を供給できることを実証する拠点となる。需要の増加に合わせてさらなる規模拡大を図るための出発点となるプラットフォームだ」と述べました。

Novonesisで副社長を務めるGhita Hansenは、「カルンボーの事例は、企業が連携し、共有インフラや副産物、そして産業上の専門知識を生かしてより大きな価値を創出する際に実現できるものを示している。こうした連携によって、単独で取り組む場合よりも迅速に、新技術をスケールアップさせるための条件を整えられるだろう」とコメントしています。

参考記事:
Algiecel Scales Microalgae Output Nearly Fivefold at Novonesis’ Kalundborg Enzyme Site
Algiecel opens circular and scalable site, takes microalgae oil to industrial scale

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