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中国企業の70/30 Food Tech、資金調達を経てアジア向けの安価な菌糸体タンパク質を開発する研究所の開設へ

中国・上海に拠点を置き、植物性食品や菌糸体原料などを開発する70/30 Food Techが、シードエクステンションラウンドで70万ドル(約1億500万円)の資金調達を完了しました。

この資金により、インドのバンガロールにある著名なインキュベーターの施設内に「70/30 Mycelium Research Lab」を開設し、代替肉用の低コストな菌糸体原料を開発する計画です。

中国で数少ないバイオマス発酵スタートアップ


今回の資金調達ラウンドでは、Better Bite Venturesに加え、以前のシード投資家からも引き続き支援を受けました。

Better Bite Venturesの創立パートナーMichal Klarは、「菌糸体をベースにした持続可能なタンパク質製品が、アジアで消費者に広く普及するための入り口となるだろう。アジアでは特に菌類に対する親しみが深く、好意的な認識がある」とコメントしています。

70/30 Food Techは、企業が動物性食品から植物性食品に切り替えるには、代替案の費用対効果が高く、手頃な価格でなければならないと主張。解決策を模索し2021年、上海市農業科学院でバイオマス発酵により低コスト菌糸体原料を生産するパイロットスケールの実験に着手しました。

このプロセスでは、動物性タンパク質を上回るアミノ酸を含有する高品質のタンパク質が得られる上、大豆ベースの製品加工において一般的な押出工程を排除し、動物肉に似た食感を生み出すことができます。

中国ではあまり例の見られないバイオマス発酵スタートアップですが、Blue Canopy、乳製品を開発するChanging Bioのほか、培養肉企業のCellXが昨年新たに菌糸体事業への参入を発表しています。

研究施設の設置で市場投入を加速


70/30 Food Techの創業者でCEOを務めるEve Samyukthaは、「2023年にはパンデミック後の不況に直面したが、アジアにおける植物性食品セクターの成長の可能性については、前向きな見通しを維持している。特に、動物性タンパク質に代わる手頃で健康的な代替品を提供できればなおさらだ」と語っています。

Dao Foodsのポートフォリオ企業* である同社は、B2Bの顧客向けにキノコと大豆をベースにしたタンパク質原料を発表。その顧客の中には、全店舗で推定100万人の最終消費者を抱える、軽食・健康食専門のレストランチェーンGuakaも含まれます。

2022年8月時点では、コールドチェーン物流の大規模ネットワークを有する業界大手のShanghai Qingmei Green Food Groupとの提携により生産能力を増強させ、同年中に中国全土で調理済み製品の発売を予定していました(その後の詳細は不明)。

今回の調達資金を充当した新しい研究施設では、特殊に変異させた菌株と高度なプロセス設計を施したバイオリアクターを使用し、安全性と品質を優先させながら、迅速かつ効率的な製品の市場投入を図るとしています。

* Dao Foodsは70/30 Food TechやBlue Canopyのほか、植物性代替肉メーカーのStarfield、精密発酵でゼラチンを開発するカナダ企業Liven Proteinsなどにも投資を行っている。参考:Portfolio Companies — Dao Foods

参考記事:70/30 Food Tech First to Launch Mycelium Based Alternative for China Market

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