世界初、植物由来製品の大規模3Dプリンティング工場開設に向け、スペイン企業が提携

スペインを拠点とするフードテック企業のFoody’sCocuusが、3Dプリンティングによる植物由来製品の発売に向けた提携を発表しました。

Cocuusの技術を活用した3Dプリント肉の大規模生産をFoody’sが主導し、「Foody’s & Cocuus」ブランドの名の下、マーケティングを展開します。

独自技術でプラットフォームを構築


Cocuusは2017年設立。自社開発したインク、AI、数学モデルを連携させる独自の3Dプリンティング・プラットフォームで、食物の構造を再現します。まず本物をCTスキャンにかけて、脂肪や筋肉、骨、血管の通る位置を調べ、その結果をもとに3Dプリントを行います。

カツレツやベーコン、サーモンなどを毎分8キログラムの速度でプリントできるといい、StartUs Insightsがまとめた、フードテック界のイノベーション・トップ10でも名前が挙げられています。

昨年夏には、Cargill Venturesが主導したプレシリーズAラウンドで、250万ユーロ(約3億6,500万円)を調達。4,000平方メートルの面積を誇る最先端の生産施設をオープンさせ、「骨付き」Tボーンステーキも発表しました。

同じく2017年設立のFoody’sは、植物性代替肉の水耕栽培、研究開発、大規模製造(自社ブランド・OEMの両方)、販売と、さまざまな事業領域を包含。スペイン国内に加え、メキシコ、米国、英国、その他の欧州諸国で製品展開を行っています。

年間1,000トンの植物性ベーコンを製造


今年3月、Cocuusが開発した3Dプリンターの第一号機が、スペイン・ナバラ(Navarra)州にあるFoody’sの工場内に設置されました。農業・食品業界の研究開発が盛んな同州で、3Dプリンティングによる植物性食品の大規模生産が間もなく開始される見込みです。

革新的なパートナーシップにより生まれる最初の製品は、植物性ベーコンで、夏に向けてスペイン国内の市場に投入される予定です。グルテンフリー、大豆不使用、低脂肪でありながら、従来のベーコンの味と食感を再現できているとのこと。生産量は年間1,000トンに達すると予想されています。

そのほか、植物性のエビ、サーモン、タコ、フォアグラ、マグロなどの開発にも取り組んでいます。

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