米MycoWorks、世界初となる菌糸体の大規模生産工場を開設

代替レザーを開発する米MycoWorksが、世界初となる菌糸体の大規模生産工場の開設を発表しました。

環境負荷を抑えた天然の代替素材


MycoWorksは、2021年にシリーズCラウンドで1億2,500万ドル(約187億円)を調達し、昨年新工場の建設を開始。136,000平方フィート(約12,600平方メートル)の敷地面積に350人以上の従業員を雇用して、同社初の代替レザー製品「Reishi」を大量供給できる体制を整えました。

共同創業者のPhil Rossが長年探求してきた菌糸体の名前からとられたReishiは、最高級の動物皮革の強度、耐久性、手触りを備えながら、環境への影響を抑えた新しい高級天然素材。

ポリウレタンやポリ塩化ビニル(PVC)などのプラスチックフィルム、充填剤、裏材に頼って強度と耐久性を実現する代替素材の中で、際立った存在となっています。

「まさに高級レザー業界が待ち望んでいた瞬間だ。供給という課題が解決された今、各ブランドはReishiを使用したアイテムの商品化に迅速に取り組むだろう」と、エルメスの元CEOで現MycoWorksの取締役を務めるPatrick Thomasは語っています。

品質とスケールアップの問題を解決


ライセンス供与や製造委託によらず、自社開発した技術を保有し、垂直的に事業展開を行うMycoWorks。独自技術「Fine Mycelium」を活用した製造工程は、管理された環境で菌糸を培養し、その自然な成長を利用して、Reishiの美しいシートを成形します。

Reishiは高級レザー業界の性能基準を満たす唯一の代替レザーとして、エルメス、リーン・ロゼ、ゼネラルモーターズなど、ハイエンドのファッション、家具、自動車業界の主要ブランドとの提携も実現させました。

新工場では、自動搬送ロボットを導入するなどして工程の80%を自動化。ハンドリングコストを削減しながらも、品質保証において重要な部分では専門知識を持った人材の活用を続け、高品質と低コスト生産の両方を実現しています。

代替レザーの普及に向け障壁となっていた品質とスケールアップの問題を、2016年のReishi開発と、今回の工場稼働により解決しつつあります。

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