筋組織成長の最先端技術を有するイスラエルのProFuse Technology（以下、ProFuse）と、材料技術の開発を手掛けるエストニアのGelatex Technologies（以下、Gelatex）が、培養肉生産に大きな進展をもたらす技術を共同開発したと発表しました。
ProFuseの培地サプリメントとGelatexの植物性足場を用いることで、鶏の筋組織の成長に大幅な改善が見られたとしています。
筋組織の成長サイクルを48時間に短縮
ProFuseは、細胞培養を行う培地に添加して細胞の成長を速めるサプリメントを開発しており、米国食品医薬品局（FDA）への認可申請を実施。今年9月、足場を用いた3次元培養でも技術革新を成功させ、生産時間の短縮を報告していました。
一方のGelatexは、ナノファイバーを高効率で製造する独自の特許技術「HaloSpin」を用いて、可食性の足場を開発する企業。細胞付着率を平均80％以上にまで高め、生産コストの削減を実現します。
この両社の協働による具体的な研究成果として、筋肉の分化・融合・成熟の効率を高め、筋組織の成長サイクルをわずか48時間に短縮できたとのこと。また、筋タンパク質の含有量が、従来の手法に比べて5倍に増加しました。
コスト効率・スケーラビリティ・栄養価の向上を期待できるこの研究成果は、培養肉業界の大きな可能性を示唆するものとなっています。
ProFuseのCEOを務めるGuy Nevo Michrowskiは、「共同研究の結果、食肉生産の未来を再構築する手助けとなるイノベーションを起こし、培養肉業界をさらに一歩前進させられた」と語っています。
両社は現在、筋肉の成長を最適化する統合ソリューションを培養肉メーカー向けに提供。これには、Gelatexのナノファイバー製足場一式に加え、Profuseの培地サプリメントと組み合わせて最適化を行う詳細手順が含まれています。
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