培養豚脂肪を開発するブラジルのCellva Ingredientsが、シードラウンドで約2億円を調達

豚脂肪をはじめとする細胞培養食品を開発・生産するブラジル初のスタートアップ企業Cellva Ingredientsが、最初の資金調達ラウンドで650万レアル(約1億9,600万円)の調達を実施しました。

ProVeg Incubatorの一員としてスタート


同ラウンドではFundeparが運営するSeed4SCienceがリードインベスターとなり、ProVeg Incubator、スペインのRumbo Ventures、リオグランデ・ド・スル州のエンジェル投資家ネットワークEA Angelsが参加。

Cellva Ingredientsは今年3月までにシードラウンドを終了し、合計1,000万レアル(約3億200万円)の調達を目標としています。

同社は、ブラジルの食品加工大手BRFで元幹部を務めたSérgio Pinto(CEO)と、細胞培養・組織工学研究者のBibiana Matte(CSO)により2022年に設立。

フードシステムの転換を促進する非営利団体ProVeg Internationalが2018年に始動させ、FormoRemilkGourmeyInfinite Rootsなど50を超えるスタートアップの発展を促進してきたProVeg Incubatorの第11期生として、設立支援を受けています。

21日で生産可能な培養脂肪


Cellva Ingredientsは設立以来、食品業界に持続可能な代替脂肪を供給するため、細胞培養技術の開発を実施。昨年半ばに最初のプロトタイプを発表しており、従来の豚脂が約24カ月かかるのに対し、21日で生産が可能と主張していました。

さらにその代替脂肪は、遺伝子組み換えを行わない生産手法で飽和脂肪酸を減らし、抗炎症性、抗酸化性、より良い消化性といった特徴を持つ健康的なものにカスタマイズが可能とのこと。

月に1キロの脂肪を生産でき、製品多様化戦略として、植物細胞を培養した油脂やオリーブオイルも開発しています。

今後は、最先端のバイオリアクターを備えた新しい研究所と、現在13名を抱えるチームの増員で生産能力を高め、効率性と経済性を備えた細胞農業ソリューションの規模を拡大。

ブラジルの規制当局である保健省傘下の国家衛生監督庁(ANVISA)の承認次第では、2024年第4四半期または2025年第1四半期までに製品を投入する計画です。

参考記事:
Why did we found Cellva? | LinkedIn
Brazil’s Cellva Raises R$6.5 Million to Develop Cultivated Pork Fat

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