ドイツの小売り大手REWE Group、100%ヴィーガンのスーパーマーケットをオープン

ドイツで3,700店舗を展開する小売り大手のREWE Groupが今月、100%ヴィーガン食品を揃えたスーパーマーケット「REWE Voll Pflanzlich(REWE Fully Plant-Based)」をオープンしました。

毎日9万人の歩行者が行き交う通りに面した店舗の中には、計2,700以上の商品が並べられています。

豊富な品揃えであらゆる買い物客に対応


この店舗は、ベルリン・フリードリヒスハインのワルシャワ橋(Warschauer Brücke)にVeganzが構えていた、敷地面積212平方メートルの旗艦店を引き継いだもの。

REWE Bio、REWE Beste Wahl、Vivessなどのプライベートブランド商品と、OatlyAlproといった大手ブランド、Not Guilty、For Foodies、Greenforceをはじめとするスタートアップ企業の製品を融合させ、REWE Group通常店舗のおよそ2倍となる、300ブランド、2,700以上のヴィーガン製品を取り揃えています。

黄色、緑、赤を基調としたデザインが目を引くカラフルな店内に入ると、まず野菜や果物が並び、次にサラダバーとヴィーガン寿司のコーナーが続きます。

ヴィーガンやフレキシタリアンの消費者だけでなく、日常の買い物をする人々も引きつけ、また地元の人々や旅行客がイベントや帰省の前に軽食や飲み物を調達する場所などととしても顧客接点となることを狙った、戦略的なレイアウトを採用しているとのこと。

冷えたスムージーやスプレッド、セイタン(グルテンミート)などの商品は壁沿いの冷蔵ケースに並び、店内中央には植物性ミルクやナッツ、スパイス、製菓材料、ドラッグストア用品を陳列。

さらに、クリームチーズや作りたてのオープンサンドが並ぶスナックバーがあり、レジ周辺には冷凍コーナー、焼き菓子、ヴィーガンアイスクリームなども揃っています。

通常の有人レジは廃止され、支払いは3台あるセルフレジと、店内を歩きながら品物をスキャンしてカートに入れられるScan&Goテクノロジーを用いたシステムを導入しています。

将来に向けての市場テストに


同店は一時的なポップアップストアではなく、将来同様のコンセプトを展開するための試験的な位置付け。成功が見られた場合には、全国のREWE Centerの店舗で、オーストリアの子会社が展開するヴィーガン店舗「BILLA Pflanzilla」のアプローチに沿った取り組みを開始する可能性もあるとしています。

REWE Groupは2022年、オーストリアの首都ウィーンにBILLA Pflanzillaの1号店をオープン。Revo Foodsの3Dプリントサーモンフィレや、Kern Tecの植物性ミルクを販売するこの店舗では、ヴィーガン製品の価格を従来品と同等以下に設定しており、これまで価格面で植物性食品を試してこなかった層にもアプローチできる体制を敷いています。

同社が昨年実施した調査では、REWE Groupの顧客のうちヴィーガン製品を購入したことのある人の割合は58%に上り、27%が週に数回、動物性食品を植物性の代替品に置き換えていると回答しました。

59%の消費者が肉の消費量を減らしているとされ、欧州最大の植物性食品市場となっているドイツ。毎日9万人の通行人が行き交うワルシャワ橋に位置する同店は、一定の需要を取り込めるものと見込まれています。

参考記事:
REWE eröffnet ersten voll pflanzlichen Supermarkt | REWE Presse
Fully Plant-Based: Rewe Opens First 100% Vegan Supermarket in Germany

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