VEOS Group子会社のNaplasol、倒産後のMycorenaを買収してマイコプロテイン事業を継続
ベルギーに本社を置くVEOS Group傘下のバイオマス発酵企業Naplasolが、スウェーデン企業Mycorenaの買収を発表しました。
主力製品の生産も継続
欧州のマイコプロテイン市場をリードしてきたスウェーデンのMycorenaは先月、経営難に直面して倒産を申請。事業継続のため新たなオーナーを探すとしていましたが、わずか6週間足らずで買い手が見つかりました。
1974年設立のVEOS Groupは、世界中に生産拠点を持つ動物性タンパク質市場のグローバルリーダーであり、食品、ペットフード、飼料業界で世界的な販売ネットワークを有しています。
子会社のNaplasolは、Mycorenaの主力製品「Promyc」をベルギー国内の施設で生産し、製品ポートフォリオを強化する計画。
VEOS Groupの共同CEOを務めるWim Sleeは、「NaplasolとMycorenaは同じ分野で活動しており、互いに補完できる知識と製品を有している。Mycorenaのストーリーを引き継いでいけるのは嬉しいことだ」とコメント。
Mycorenaが保有していた特許や商標は、同じ事業を拡大していく上で貴重な資産になるとみています。
投資家からの関心を引き戻せるか
2017年に設立されたMycorenaは、マイコプロテイン製品「Promyc」のほか、菌類ベースの脂肪やバターなど、これまでにない革新的な製品を開発。Revo FoodsやPeas of Heavenなどとの提携を通じて、EU域内の6カ国で消費者向け製品を発売しています。
累計3,500万ユーロ(約56億3,000万円)を超える資金を調達し、著しい成長を遂げたものの、投資家の関心の低下など、市場ダイナミクスの変化に直面。
スウェーデンでの大型工場建設プロジェクトを中止し、ビジネスモデルの転換を図るなどの努力を重ねてきましたが、事業継続が困難となりました。
CEOのSleeは、Promycの品質について、「ニュートラルな味わいと強い繊維質の食感の点でユニークだ」と高く評価。
「マイコプロテインは、ほかの植物性タンパク質に比べてCO₂、土地、水のフットプリントが少なく、持続可能な代替タンパク源であることは明らか。当社はマイコプロテインの将来性を強く信じている」と述べています。
参考記事:Mycorena Acquired by Biomass Fermentation Firm Naplasol, Member of Animal Protein VEOS Group
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