オーストラリアのCoco2が、世界初となるココナッツベースの乳児用粉ミルクを発売
オーストラリア企業のCoco2が、世界初というココナッツをベースとした乳児用粉ミルクを発売しました。母乳の持つ栄養・健康上の利点を再現した、牛乳にアレルギーを持った乳幼児でも飲むことのできる製品です。
個人の経験と科学的知見を融合
Coco2は、クイーンズランド大学、子育て中の親たち、医療専門家との共同で10年かけて粉ミルクを開発。必須ビタミン、ミネラル、脂肪酸を含み、母乳の栄養と健康上の利点を忠実に模倣した製品です。
母乳に近いシンプルなタンパク質と脂肪の組成を持っており、従来の乳製品をベースとした代替ミルクに比べて消化吸収が容易になっているとのこと。
Coco2によると、ココナッツに含まれる天然のラウリン酸は乳児にとって特に重要。体内での利用が容易なラウリン酸は、成長と発達に欠かせないエネルギーを素早く補給できるほか、消化性を高める効果と抗炎症・抗菌作用を持つ重要な成分です。
同社の製品は、乳児用ミルク(生後6カ月まで)、フォローアップミルク(生後6~12カ月)、幼児向けドリンク(生後12カ月から)の3種類を展開。オンラインでは定期購入も可能になっています。
間もなくオーストラリア全土の主要な食料品店や薬局で発売され、国外への輸出も開始される予定です。
アレルギーの問題を解決する代替ミルク
従来の粉ミルクに代わるCoco2の製品は、牛乳にアレルギーを持った乳幼児でも問題なく飲むことができるという点で重要。乳糖も含まず、世界人口の約65%に上る乳糖不耐症にも対応しています。
しかしながら、こうした代替品の開発や製造を手掛ける企業は現状少なく、アレルゲンを含まない乳児用ミルクを広く入手するニーズはまだまだ満たされているとはいえない状況です。
Coco2以外の目立った企業には、乳製品と大豆を含まないさまざまな乳児用栄養製品を提供しているElse Nutrition、発酵技術を活用してヒト乳脂肪の代替品生産に取り組むYali BioやCheckerspotなど。
そのほか、乳腺細胞を培養して人工的に母乳を生成する、フランスのNūmiやイスラエルのWilk Technologiesの取り組みにも注目です。
参考記事:
Coco2 ウェブサイト
Australia’s Coco2 Launches “World’s First” Coconut-Based Infant Formula
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