植物性食品の米Tattooed Chefが破産申請、入札により資産売却へ
植物性食品を手掛ける米Tattooed Chefが、連邦破産法第11条の適用を申請。入札により、保有する全資産の売却を目指すと発表しました。
競合他社との十分な差別化できず
2018年に創業したTattooed Chef。植物性食品の幅広いラインアップを持ち、全米の大手食品小売店やオンラインストアで販売しています。
2020年にSPAC(特別買収目的会社)との合併を通じて株式上場を果たしたものの、収益の減少、インフレによる包装材や材料費の高騰などにより低迷が続き、持続的な成長に必要な現金を調達するのに苦労していました。
同社会長兼CEOのSam Gallettiは、これまでに度々楽観的な見通しを示しており、2カ月前にも、同社が収益性よりも成長性に重点を置いていることをアピール。2024年の第3四半期には調整後EBITDA(利払い・税引き・減価償却前利益)*1 が損益分岐点に達し、キャッシュフローがニュートラルになる見込みだと述べていました。
しかしながら、競争が激化する市場において、他社との十分な差別化を図ることができなかったことも大きく影響し、破産を余儀なくされています。
同社は強力なブランドに加えて、約40万平方フィート(約37,000平方メートル)の生産施設も有しており、入札により迅速に全資産の売却を目指すとのこと。
苦境が続く植物性食品カテゴリー
Tattooed Chefの2021年度の売上高は2億1,300万ドル(約292億円)*2。決して小さくはありませんが、植物性食品を扱う他企業の買収候補の規模として理想的とみられます。
かつて急成長を遂げた植物性食品業界ですが、直近ではやや陰りが見え、とりわけ植物性代替肉では、昨年の成長率がマイナスとなりました。
そんな中、苦戦する大手企業も多く、2022年にはJBS USAが突如、Planterra Foodsの植物性食品事業を閉鎖。Beyond Meat、Impossible Foods、Maple Leaf Foodsの子会社Greenleaf Foodsも、従業員の削減に踏み切っています。
*1 他社との比較のために一定の調整を行った数値
*2 https://ir.tattooedchef.com/news-releases/news-release-details/tattooed-chef-reports-fourth-quarter-and-full-year-2021
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