米Força Foodsがスイカの種を原料に用いた世界初の代替ミルクを発売
米国・サンフランシスコを拠点に持続可能な代替食品の開発に取り組むスタートアップ企業Força Foodsが、スイカの種を原料に用いた世界初の代替ミルクを発売しました。
スイカの種とエンドウ豆タンパク質から作る代替ミルク
新製品の代替ミルク「MILKish」は、スイカの種をベースに少量のエンドウ豆タンパク質を加えた製法が特徴。大豆、ナッツ類、砂糖は不使用で、カラギナンのような増粘剤、人工香料、人工着色料も含まれていません。
グラス1杯あたりわずか50kcalながら、なめらかな口当たりとクリーミーさを実現しており、消費者に健康的な選択肢を提供する製品と謳われています。
そのままでも美味しく飲めるほか、コーヒー(アイス・ホット)、カプチーノ、スムージーまで各種ドリンクに使用でき、朝食のシリアルやパン作りにも適しているとのこと。
新製品はまずForça Foodsのウェブサイトで発売。同社は今後、外食産業との提携を通じて売り上げを拡大し、後に小売業に進出する計画を明かしています。
アーモンドなどと比べて水の使用量を削減
Força Foodsは、カリフォルニア大学デービス校(UC Davis)で植物科学を学んだブラジル出身の起業家Guilherme Maia Silvaが、有機農業と持続可能な農業の専門知識を生かし2021年に創業(Forçaはポルトガル語で「力」の意味)。
カリフォルニア州は植物性食品の原料に良く用いられるアーモンドの世界最大の産地となっており、州内に7千を超える生産者と加工業者が存在するほどですが、その栽培では大量の水を消費します。
この環境影響を低減するべく、より持続可能な代替品を探したSilvaは、アーモンドよりも多くのタンパク質、必須ビタミン、健康的な脂肪、抗酸化物質を含むスイカの種に着目しました。
スイカの種のウォーターフットプリント(生産・加工・流通などのライフサイクルを通じて必要な水の総量)はアーモンドよりも99%、オーツ麦よりも72%、大豆よりも53%低く、CO₂排出量も少ないとのこと。
この発見をきっかけに、ヘルシーなスナックを扱う会社として立ち上がった同社ですが、1年間の研究開発を経て代替乳製品メーカーに転身しました。
スイカの種を使ったその他の食品イノベーションとしては、代替乳製品のパイオニアMiyoko’s Creameryが、2022年からスイカの種とオーツ麦やヒマワリの種をブレンドしたチーズを販売。インドのKatharos Foods(昨年よりNourish You傘下)は、モッツァレラチーズとチェダーチーズを製造しています。
参考記事:
Força Foods Launches the “World’s First” Watermelon Seed Milk
Watermelon Seed Milk Is The Latest Dairy-Free Innovation
この記事へのコメントはありません。