Revo FoodsとPaleo、EUの資金援助により精密発酵ヘムを用いた代替サーモンを開発する共同プロジェクトを発表
3Dプリントのヴィーガンシーフードを生産するオーストリアのRevo Foodsと、ベルギーの精密発酵スタートアップでアニマルフリーのヘムタンパク質を開発するPaleoが、2年間にわたる共同プロジェクトの詳細を明かしました。
EUの共同研究支援パッケージを活用
この共同プロジェクトは、欧州連合(EU)の「Eurostars」プログラムから220万ユーロ(約3億6,600万円)の資金提供を受けて、今年8月に始まりました。
PaleoのCEOを務めるHermes Sanctorumは、このプロジェクトは特に、Revo Foodsの植物性シーフードを強化するためPaleoのヘム技術を調整することに重点を置いていると説明。現在テスト段階にあり、品質と味の面で期待に応えるべくアプローチを改良している最中だといいます。
Paleoは、哺乳類の筋肉に含まれるヘムタンパク質の一種、ミオグロビンを精密発酵により生産する技術開発を進めています。これまでに牛、豚、鶏、羊、マグロに加えて、知られている中では最古のものとされる100万年前のマンモスのDNA配列からも、ヘムタンパク質の復元を成功させました。
ヘムタンパク質は一般に、肉や魚の風味、色、香りを模倣する効果があるとされており、米国の代替肉メーカーImpossible Foodsがいち早く開発に成功し、市場をリード。Paleoは植物性製品の強化のほかにペットフードへの応用も模索しており、米国や欧州など広範な市場で規制当局の承認を目指しています。
昨年1,200万ユーロ(約20億円)を調達した同社は、より早期の認可取得が見込まれるシンガポールに新しく事務所を開設しました。今年、ベルギーのバイオインキュベーション施設内にも新たなパイロットプラントを構えています。
精密発酵ミオグロビンを組み込んだ代替サーモンの発売へ
一方のRevo Foodsは、3D食品プリンティングのリーダー企業として、この種の工場としては世界最大の「Taste Factory」を先月ウィーンで立ち上げ。
同社の主力製品であるマイコプロテインベースのサーモンフィレ「THE FILET」は、隣国ドイツやスイスも含めた小売店で販売されており、オンラインでは欧州全土で入手可能です。
本プロジェクトは2年間の期間を設けて行われるもので、Revo Foodsの3D構造化技術を駆使して、Paleoの精密発酵ミオグロビンを製品中に組み込み。
Revo FoodsのCEOを務めるRobin Simsaによると、2年後に規制面がクリアできればプロトタイプの試食を行いたいとのこと。ヘムを添加してバージョンアップした代替サーモンフィレの発売は、「プロジェクトが成功すれば5年以内に実現させたい」と話しています。
参考記事:
Creating the ultimate vegan salmon: Revo Foods & Paleo partnership receives European funding for a €2.2 million project.
Paleo | Creating the ultimate vegan salmon: Revo Foods & Paleo partnership receives funding for 2.2 million EUR project
Revo Foods & Paleo Unveil €2.2M EU-Backed Project for Salmon Alternatives with Animal-Free Heme
Revo Foods and Paleo announce €2.2m partnership to level up salmon alternatives | The Cell Base
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