Solar Foodsが年間6,000トンの商品化に関するMOUを締結、Fazerとの製品開発にも進展

フィンランドのガス発酵スタートアップSolar Foodsが、顧客企業2社との間で、年間6,000トンの空気由来タンパク質「Solein」の商品化に関する覚書(MOU)締結を発表しました。

商業的展望を示す契約の可能性


Solar Foodsはすでに両社と研究・製品開発に取り組んでおり、この提携が拘束力のある合意につながれば、検討中の大型工場「Factory 02」をフル稼働させた場合のおよそ半分に相当する6,000トンの供給が決定し、大幅な収益の向上が見込めます。

同社は「Factory 01」で160トンの年間生産能力を保有しており、プレエンジニアリングに着手している「Factory 02」では、年間12,800トンのタンパク質を1kgあたり4.3~5.2ユーロ(約700〜840円)のコストで生産できる見通し。

この最終投資決定は2026年に実施する予定とのことですが、2028年に第1フェーズ、2030年にフル稼働を開始する計画で、建設資金として、政府系機関のBusiness Finlandから今月1,000万ユーロ(約16億2,000万円)の調達を行いました。

「Solein」は2022年にシンガポールで新規食品の認可を受け、イタリア料理店Ficoのヴィーガンジェラートに原料として使われデビュー。味の素KelpEatもSoleinを用いた製品を開発しています。

昨年米国でもGRAS(Generally Recognized As Safe)自己認証を受けており、先日カリフォルニアで開催された「Natural Products Expo West」ではコンセプト商品の「Solein Protein Bites」を展示し、原料としての魅力をアピールしました。

食品大手のFazerも新製品を披露


Solar Foodsはまた、主要株主であるフィンランドの食品大手Fazerとの提携による最新の試みとして、Soleinを使用した3種類の製品を発表しました。

Fazerの「Taste the Future」シリーズに含まれるこの製品は、ヘーゼルナッツ入りのダークチョコレートバー、チョコレート風味のオーツミルク、バノフィー(バナナとトフィーのパイ)風味のプロテイン飲料で、チョコレートバーはSoleinを7%、ドリンクは2%含有。今月サンフランシスコで開催された「Future Food-Tech」で披露されています。

Fazerは昨年1月、シンガポールでSoleinパウダーを2%配合したチョコレートバーを限定で発売し、Solar Foodsが小売りに展開する足掛かりを築きました。2026年にはEUで新規食品の認可取得も見込んでいます。

参考記事:
News – Fazer Group
Solar Foods Signs MoUs Regarding Commercialization of 6,000 Tonnes of Solein, While Fazer Launches Solein-Powered Products in the US
From Air to Aisle: Fazer’s Trials Gas-Fermented Protein Snack & Drinks

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