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米Modern Meadow、グローバル・ファッション・サミットでバイオレザーの新ブランド「INNOVERA」を披露

米国を拠点にバイオベースの代替素材を開発するModern Meadowが、主力製品のリブランディングを行い、「INNOVERA」として再出発すると発表しました。

デンマークの首都コペンハーゲンで今月3日から5日まで開催された「Global Fashion Summit」で展示を行っています。

顧客への供給が可能な体制を構築


従来「BIO-VERA」のブランドで展開されていたこの代替レザーは、名前を変えて今後Modern Meadowの主力製品となる予定。

植物由来のタンパク質、バイオポリマー、リサイクルゴムを原料とし、再生可能炭素の含有率80%以上を実現しています。

動物由来のレザーを構成するコラーゲンの見た目と触り心地を再現し、色や仕上げにもバリエーションを準備。従来のレザーの2倍の強度を持ちながら、軽量さを兼ね備えているのも魅力とされています。

保管にも特別な条件を必要とせず、単純な取り扱いでコストを削減。標準的な製造プロセスに適合可能で、Modern Meadowによるとファッション、シューズ、自動車、インテリアデザインといった業界の顧客にすぐにでも供給できる体制が整っているとのことです。

グローバル・ファッション・サミットでは、CEOのDavid Williamsonが「バイオデザインの未来」と題したパネルディスカッションに登壇。

ファッション業界が石油化学製品への依存度を低減させる必要性、持続可能な代替品の重要性、再生可能炭素を含有する素材が高級ファッションに与える影響、植物の持つ特性を創造的に活用する方法といったトピックについて、議論が行われました。

主力製品に経営リソースを集中


Modern Meadowは、研究室で食肉とレザーを培養する初のスタートアップとして、2011年にAndras Forgacsらが創業した企業。現在は食肉の開発を取りやめ、バイオレザーに注力しています。

同社の代替レザーの1つに関して2022年に行われた分析では、牛革に比べて温室効果ガスの排出量が80%少ないと判明。翌年、同社は総合化学メーカーのBASFと提携し、より革新的なアニマルフリー素材の開発に取り組む共同プロジェクトを立ち上げています。

また、精密発酵により生産したヒトⅢ型コラーゲン「Bio-Coll@gen」の展開では、ドイツ企業のエボニックとも提携しました。

CEOのWilliamsonは、「持続可能な変化を推し進め、最先端の代替レザーを提供できる立場を確立するため、INNOVERAにリソースを集中させることにした。焦点を一点に定めて商業生産をより効率的に拡大し、業界内のパートナーシップを深めて、美しく、地球に優しく、高性能なラグジュアリー素材をデザイナーやブランドに確実に届けたい」と語っています。

参考記事:
Material World: Modern Meadow’s Innovera Goes Global
Biofabrication at Scale: Modern Meadow’s Sustainable Materials

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