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ウキクサ由来のタンパク質「ルビスコ」を生産するPlantible Foods、米国で大規模施設の本格稼動をスタート

ウキクサ由来のタンパク質を生産する米国のPlantible Foodsが、テキサス州エルドラドにある同社初の商業施設を本格稼動させ、新たな規模拡大フェーズに入ったと発表しました。生産能力をさらに3倍に増やすための資金調達の機会も模索しています。

レジリエントで持続可能なタンパク質原料


「Ranchito」と呼ばれる100エーカー(約40万平方メートル)の施設は、新たに導入された高収量のレムナ(アオウキクサ)株を栽培する温室に加えて、タンパク質ろ過システムを設置し、Plantible Foodsの主力原料である「Rubi Protein」の生産を実施。

同社は昨年11月のシリーズBラウンドで3,000万ドル(約44億1,000万円)確保するなどし、施設の拡張を進めてきましたが、このたびの本格稼動に伴い開所式を実施しました。

拡張の一環として、最先端のろ過装置を導入し、処理能力を高めながら生産コストを大幅に削減。年間数百トンのタンパク質を供給することが可能になり、キャッシュフローを黒字化する道筋をつけています。

レムナは耕作地を必要とせず、大豆の10分の1の水量で過酷な環境でも栽培できるため、非常にレジリエントで持続可能なタンパク質原料。成長スピードが早く、わずか2〜3日で倍増するのも魅力とされています。

Ranchitoでの生産量は、食品サプライチェーンにおける動物性タンパク質や人工原料に取って代わることで、CO₂換算で年間約8,000トンの排出量削減に貢献できる見込みです。

ウキクサの仲間には少なくとも35の種、1,000以上の株があるといい、同社は現在、土地の気候に最も適した株を特定して生育条件を調整し、さらに単位経済性を高めるための新たな株の試験を実施中。また、生産能力を3倍に拡大することを目標とした追加資金の確保にも取り組んでいます。

米国の農村部に真の経済的機会を創出


Plantible Foodsは、機能性原料の大手メーカーICL Food Specialtiesなどの主要顧客と協力して、「Rubi Protein」をさまざまな消費者向け製品に組み込んでいます。

レムナは、乳化・ゲル化・結合特性を持つ、ニュートラルな味でアレルゲンフリーの完全タンパク質と説明されており、動物性タンパク質に匹敵する栄養価を加えながら、食感と安定性を改善するとのこと。

これまでに「Rubi Protein」を配合した原料として、「Rubi Whisk」と「Rubi Prime」の2種類を開発しました。前者は、卵やグルテンを含まないベーカリー製品に使用できるもので、後者は植物性代替肉に結着剤として使われるメチルセルロースを置き換えてクリーンラベル製品を実現します。

同社は地元の雇用を増やし、教育訓練の場を設けるなどして、エルドラドのコミュニティを支援。この地域に進出して以来、住民の所得の中央値は60%以上上昇したと報告されています。

Plantible Foodsの共同創業者でCEOのTony Martensは、「これは当社やパートナー、そしてエルドラドのコミュニティにとって決定的な瞬間だ。米国の農村部に真の経済的機会を創出しながら、強靭なフードソリューションを構築することが可能だと証明できた」とコメントしています。

参考記事:
Plantible Celebrates First Fully Operational US-Based Commercial Facility and Announces Expanded Production Capacity
Duckweed Protein Producer Plantible Announces That Its First Commercial Facility is Now Fully Operational
Duckweed to dollars: Plantible Foods now ‘fully operational’ at Texas RuBisCO plant, seeks funding to triple capacity

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