メルセデス・ベンツ新型「GLC」、ヴィーガン協会認定のインテリアを備えた世界初の自動車に

ドイツの自動車大手メルセデス・ベンツが先月、新型電気自動車「GLC」の内装オプションとして新たに開発したヴィーガン素材を披露。独立した第三者認証を受けたヴィーガン仕様の内装を提供する、世界初の自動車メーカーとなったと発表しました。
すべての製造工程・部品に対する監査をクリア
メルセデス・ベンツは、新開発の内装オプションとして「Vegan Package」を発表。これにはシートとハンドルの張り地、ルーフ、ドアパネル、コンソール、車室とトランクのカーペットなど、自動車の内装全体が含まれます。
いずれの素材も柔らかな手触りを持ち、リサイクル素材を高い割合で含有していることに加えて、英国で設立された世界最古のヴィーガン団体The Vegan Society(ヴィーガン協会)の認証を取得しています。
The Vegan Societyは、製造および加工の全段階において、どの素材にも動物由来の原料や添加物が使われていないことを確認。審査のプロセスでは、多様なサプライヤーから供給された約100の部品についても独立した監査を実施した上、認証を行いました。
『Car Magazine』誌によると、メルセデス・ベンツの固体電池技術を搭載した自動車は、充電なしで749マイル(約1,200km)という驚異的な長距離走行を達成。実験終了時点で、車両にはまだ約85マイル(約137km)分の充電残量が残っていました。
現在のラインアップの中では「GLC」が唯一のヴィーガン認証内装を提供する車両ですが、同社は今後、このパッケージをほかのモデルにも展開する計画を示しています。
大手の各自動車メーカーで取り組みが進む
メルセデス・ベンツは環境や動物福祉に配慮した素材の導入に比較的前向きな姿勢を維持しており、過去にはヴィーガンシルクの先駆者であるAMSilkの素材を、2022年に発表したコンセプトEV「Vision EQXX」の内装に採用。
今年6月にはオランダのメーカーModern Meadowと提携して、レーシングカーのタイヤを再利用した代替レザーを内装に用いたスポーツカーを開発しました。
また、ドイツ国内の社員食堂で、主に植物由来の食材を用いたメニューを年末までに導入する計画も明かしています。
グループ取締役で最高技術責任者のMarkus Schäferは、「メルセデス・ベンツでは妥協をせず、取り組みに対する努力を惜しまない」とコメント。「ヴィーガン協会による認証はこの姿勢を裏付けるもので、透明性と信頼は当社にとって極めて重要だ」と述べています。
その他の大手自動車メーカーの直近の取り組みとしては、現代自動車グループがUncaged Innovationsとの新たな提携により、高性能ヴィーガンレザーの内装開発をスタート。
仏ルノーは動物愛護団体PETAとの協議を経て、2025年末までに全車種で動物性皮革の使用を廃止することを決定しました。
参考記事:
Vegan Trademark Confirms World-First Vegan Certification For Mercedes-Benz | The Vegan Society
New Mercedes-Benz Is First-Ever Car With A Vegan-Certified Interior
Mercedes-Benz makes history with this ‘world’s first’ car interior


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