米国の化学品メーカーKensing、ヒマワリ由来の天然フィトステロールについてEU「新規食品」認証を取得

米国の化学品メーカーKensingが、アップサイクルした天然ヒマワリ由来のフィトステロール「Sunvasterol」について、欧州食品安全機関(EFSA)新規食品(Novel Food)認証を取得しました。

これにより、フィトステロールが心臓の健康に及ぼす効果に関するEFSA公認の表示を行えるようになります。

持続可能性を高めた新たな供給源に


Sunvasterol」は、ヒマワリ油の蒸留物から抽出されるアップサイクル原料。Kensingはスペイン、アルゼンチン、米国にまたがるヒマワリの供給ネットワークを有しており、新たな製品需要の波に対応するべく生産能力の拡大を検討しています。

EFSAの正式な認可を得た同社は、EU域内における「Sunvasterol」の商業的独占権を確保しました。同種のヒマワリ由来のステロールでEU市場への参入を目指す他社は、EFSAへ独自に申請を行うか、Kensingからの許諾を取る必要があります。

CEOのSerge Rogasikは、「GMOフリー、アレルゲンフリーのフィトステロールを新たな供給源として提供できるようになった。森林破壊やトレーサビリティの問題とは完全に切り離された、持続可能な代替品だ」とコメント。

「EFSAの承認は、ヒマワリ由来のフィトステロールが、当社でほかに認可を受けているステロールと同様の強力なコレステロール低下効果をもたらすことを裏付けている。当社ではヒマワリ由来のステロールとエステルの統合した生産を手掛けており、トレーサビリティを確実にできるのも強みだ」と語っています。

心臓の健康を促進する植物ステロール


フィトステロール(植物ステロール)は、植物油、穀物、ナッツ、豆類などに含まれる天然の脂質成分で、ファイトケミカルの一種です。

2000年以降、大豆や菜種、マツに由来する植物ステロールおよびスタノール(ステロールが飽和化したもの)は、「正常な血中コレステロール濃度の維持」を健康効果として表示できるとEFSAが認めています。

これらの化合物は、食事由来のコレステロール、および肝臓から胆汁へ分泌される胆汁性コレステロールと腸管での吸収において競合することで、血中へのコレステロール流入を抑制。

この吸収阻害作用が総コレステロールおよびLDLコレステロール値の低下に寄与し、Kensingによると、その効果は140件以上の研究で十分に裏付けられているとのことです。

同社はヒマワリ由来のフィトステロールについて、より広範な規格や応用範囲を定めた申請書類を提出。審査の結果、特定カテゴリーの食品に配合した場合、1日あたり1.5~3.0gの摂取により2~3週間で総コレステロールおよびLDLコレステロール値を約7~12%低下させる効果が新たに認められました。

「Sunvasterol」は、マーガリンやスプレッド、ヨーグルトその他の乳製品、機能性乳飲料、代替ミルク、調味料、サラダドレッシングなど、脂肪を含む食品に容易に配合でき、心臓の健康促進機能を備えた日常食品を製造できるとされています。

参考記事:
Kensing Gains Exclusive EFSA Approval for its Naturally Derived Sunflower Phytosterols – Kensing
Heart-healthy lipids: Kensing’s sunflower phytosterols achieve EFSA novel food approval
Kensing secures exclusive EFSA approval for sunflower phytosterols

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