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紅藻ガルディエリアを用いて、食品廃棄物を希少な青色色素に変換することに成功 —サウジアラビア・KAUSTの研究チーム

サウジアラビア・アブドラ王立科学技術大学(KAUST)の研究チームが、古代から存在する微細藻類の代謝を活用して、チョコレート工場から出た廃棄物を貴重な青色色素のC-フィコシアニンに変換することに成功したと発表しました。

従来の手法に比べてコストを大幅に削減しつつ、循環型経済への貢献につなげられる見込みがあるといいます。

CO₂豊富な環境で積極的に増える藻類


C-フィコシアニンは希少性の高い青色色素タンパク質で、2030年までに世界的に2億7,500万ドル(約431億円)を超える市場になるとも推定されています。

Trends in Biotechnology』誌に掲載された本研究では、極限環境に生きる古代の紅藻の一種ガルディエリアGaldieria yellowstonesis)を活用。チョコレート大手マースの協力を得て、同社がサウジアラビア国内に構える工場で製造ラインの起動・停止時に発生する廃棄物を収集しました。

チョコレート加工から出る廃棄物に含まれる糖分をこの微生物が摂取することで、食品・化粧品・医薬品に使用できるC-フィコシアニンなどのタンパク質を豊富に含んだバイオマスへと成長する仕組みが明らかにされています。

さらに、高濃度のCO₂がガルディエリアの増殖を促進することが判明。この結果は、藻類が光の中で生育し、光合成中にCO₂を消費する場合に予想されるものですが、ガルディエリアを暗所でグルコースを用いて培養した場合でも同様の増殖促進効果が見られたといいます。

安定同位体の測定によるさらなる分析では、CO₂が藻類のバイオマスに取り込まれるのではなく、代謝のトリガーとして作用する様子が確認できました。CO₂が豊富な生育条件は、ガルディエリアが進化してきた熱水噴出孔の環境に似ているため、細胞が「故郷」にいると錯覚を起こしたものとされています。

従来比で大幅なコスト削減と収量増加を実現


オランダ・ワーゲニンゲン大学のバイオテクノロジー研究者Fabian Abiusiの報告によると、ガルディエリアは藻類分野における次なるスーパーフードとして以前から注目されていたようです。

ガルディエリア由来のフィコシアニン(C-フィコシアニンを含む)は、米国食品医薬品局(FDA)により安全性が認められており、飲料・食品用途での使用に適しています。

従来主流であったシアノバクテリアを用いるフィコシアニン製造法と比較して、ガルディエリアを用いたKAUSTの手法は効率性が高いとのこと。ガルディエリアが繁殖する高温かつ強酸性の環境ではほかの微生物があまり生育できないため、コストの大幅な削減と収量増加が見込めます。

さらに、工場廃棄物を微生物の餌にアップサイクルできれば、地域産業が循環型経済に貢献する一助に。生産コスト、廃棄物管理、気候変動に関連した圧力の高まりを感じている食品メーカーにとって、これは特に重要な意味を持ちます。

マースの中東・アフリカ事業を統括するObai Rahimiは、「当社は地域の産業界や学術機関と連携する機会を重視しており、KAUSTとの協力を継続して、この地域で大きな影響を及ぼす研究とイノベーションを推進していきたい」とコメントしました。

研究チームは、生産プロセスの拡張性と技術の評価を進め、この手法をさらに発展させる計画。サウジアラビアの多くの企業が循環型経済への転換を実現できるよう支援する考えです。

参考記事:
Algae and the chocolate factory – KAUST Discovery
Algae innovation: Scientists convert chocolate processing waste into valuable blue pigment
KAUST scientists convert food waste into sustainable ingredients using algae

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