環境に優しいビーンレスコーヒー「SANS」を展開する韓国企業Wake、北米進出に向けた資金調達を実施

韓国・ソウルを拠点に「SANS」ブランドでビーンレスコーヒーを展開するWakeが、プレシリーズAラウンドの資金調達に成功したと発表しました。

ニューヨークに店舗開設を計画中


気候変動により従来のように豆を使わない形態がコーヒー産業にとってますます重要性を増している中、Wakeは韓国の伝統的な発酵技術と、同社が「分子ハッキング」と呼ぶ手法を融合。

こうして生まれたエスプレッソは、最大76%の節水と60%の排出量削減を実現し、従来のコーヒーに比べて低コストの製造が可能です。

この技術は投資家の注目を集め、今回のプレシリーズAラウンドでは、Signite PartnersThe Venturesが共同でリードインベスターを務めました。

投資額は公開されていませんが、バリスタが認める代替コーヒー「SANS」のグローバル展開に活用される予定。Wakeは今年、ニューヨークに店舗をオープンさせ、北米のD2C市場で1,350万ドル(約21億3,000万円)の販売額達成を目指しています。

CEOのKyung Hoon Kimは、「第一に、品質と安全管理体制を強化して、どの一杯にも最初の感動の瞬間と同じ味わいを実現する。第二に、製造規模を拡大し、多くの都市で安定したサービスを提供できるようにする。第三に、製品を継続的に推進して新たな習慣、新たな形態、そして人々が『コーヒーは豆に依存する必要はない』と気付く新たな瞬間を創出する」と目標を語っています。

主要な香気分子を特定し、発酵生産


Wakeはナツメの種、青リンゴ、ローズヒップ、オレンジピール、チコリの根など、12種類の厳選した植物原料を発酵の基質に使用。

風味だけでなくレジリエンスにも着目した結果、いずれもスマートファームや温室で栽培可能な原料のため供給が気候変動の影響を受けず、2050年までに半減すると予測されているコーヒーベルト(コーヒー栽培に適した熱帯地域)に依存しません。

次に「分子ハッキング」と呼ぶ工程では、人々がコーヒーの良い香りと結び付ける主要な香気分子を特定して、目標とする香りのプロファイルを設計。これにより、スペシャルティコーヒーに命を吹き込む焙煎の深み、上品な苦味、長い余韻、そして層を成す香りを生み出します。

この点についてKimは、「従来の化学的アプローチでは不自然さを感じさせる部分の重責を、生物学に担わせている。細かく調整された乳酸発酵により、人工香料に頼らずとも、再現が最も難しい香りを自然に生成・精製できる」と説明しています。

発酵が終わると、香り成分を抽出して濃縮液にブレンド。製品として、カフェインを求める層向けに天然カフェインを配合した「Wake Booster」、リラックスしたいときに最適なL-テアニンを配合したノンカフェインの「Sleep Booster」を展開しています。

わずか3秒でエスプレッソを「抽出」


Wakeは現在、ソウルにある旗艦店をはじめ、大手デパートの新世界百貨店、ショッピングモールのスターフィールド高陽など、複数の場所でポップアップストアを運営しています。

バリスタの専門技術に依存せず、ビーンレスエスプレッソをわずか3秒で抽出できるシステムを確立しているため、従来のコーヒーショップと比較して原材料費と人件費を30%以上削減可能です。

Kimによると、店頭で行われるのは従来の意味での「抽出」ではなく、完成したエッセンスを味わう瞬間にオンデマンドで解放するようなもので、「だからこそ3秒で実現できる」とのこと。

さらに、「誰でも1回タップするだけで毎回同じ安定した結果を得られるように設計されており、香りの濃縮液は理想的な温度とpHを保つタンクに保管してあるため、出来栄えが人間側のばらつきに依存しない」といいます。

気候変動に伴う不作が世界のコーヒー豆供給を混乱させていることもあり、「SANS」は現時点でも従来のコーヒーより13%、カフェインレスコーヒーより30%の低価格を実現。現在は事業拡大に向けた準備を進めており、次の製造段階では年間約400トンの能力を計画中です。

参考記事:
The Ventures Invests in Wake, Operator of Alternative Coffee Brand Sans – 벤처스퀘어
This Startup Uses Ancient Korean Fermentation to Make Future-Friendly Bean-Free Coffee
The Ventures Invests in Wake, a Pre-Series A Round for “Beanless Alternative Coffee” – 아시아경제

関連記事

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。