フィリピンのWTH Foodsが、微細藻類を使用した代替シーフード製品を発売
フィリピン・マニラに拠点を置き、欧州と東南アジアの市場で存在感を高めている、WTH Foods。今年初めに発売した植物性代替肉の冷凍食品ブランド「Umani」が人気を博している同社ですが、このたび、代替シーフードへの進出を発表しました。
微細藻類を用いたシーフード
WTH Foodsが開発に成功したのは、微細藻類を使用したツナとクラブケーキ(カニクリームコロッケに近いアメリカ料理)。
微細藻類とは、藻類のうち水分中に生息する植物プランクトンを指し、すでに食品用途での開発が進むユーグレナ(ミドリムシ)なども微細藻類の一種です。
同社の共同創業者であり、CEOを務めるStephen Michael Coは、「微細藻類バイオマスを用いることで、消費者が魚に期待するソフトな口当たりが得られることを発見した」と語っています。
とりわけ微細藻類を使用したツナは、コレステロールを含まず、マイクロプラスチックや重金属による汚染の懸念がない点が魅力。DHAやオメガ3脂肪酸の含有量も従来のツナと同じで、栄養価の面ではるかに優れているといいます。
クリーンラベルで欧州市場に訴求
WTH Foodsは、欧州を植物性食品にとって最大の市場と見ており、新しい代替シーフード製品でも欧州市場での展開を目指すとしています。
CEOのCoは、欧州の消費者の関心を引くためには、クリーンラベル製品(遺伝子組み換え原料や食品添加物を含まず、パッケージの表示が明確で分かりやすい食品)の拡充が重要だと述べており、新製品のシーフードも、微細藻類を含むわずか5つの原材料から作られたクリーンラベル製品となっています。
保存の利くシーフードに対する需要が高い、チェコ、ドイツ、スペイン、イタリアといった中欧から南欧の国々を、初めのターゲットに設定しているとのこと。
同社はまた、ツナの風味はタイやマレーシアの伝統的な味に近いものとするなど、東南アジアならではの味を追求することで、欧州市場で流通する他製品との差別化を図っています。
味の違いを出すために異なる種類の植物性プロテインを用い、東南アジアでは大豆ベース、欧州ではエンドウ豆ベースのツナの発売を検討しているとのことです。
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