ヴィーガンチーズを手掛けるイタリアのDreamfarmが、フランスの小売市場に展開を開始

植物性チーズを開発するイタリアのスタートアップ企業Dreamfarmが、フランス小売市場への参入を果たしました。イタリア国内に続きベルギー、オランダ、ドイツでの成功を受け、新たな市場を開拓する動きとなります。
アーモンドベースの代替チーズ6品目を発売
Dreamfarmは、フランスの大手小売りチェーンMonoprixを独占パートナーとして、フランス市場に進出。今月より、同社の植物性チーズ製品がパリ市内の約70店舗で販売されています。
当初フランスで展開する製品ラインアップは、モッツァレラチーズ、植物性スプレッド、リコッタチーズなど6品目。いずれもアーモンドとカシューナッツをはじめとした天然素材のみを使用し、フランス市場で重要視される「Nutri-Score(ニュートリスコア)」では最高ランクの「A」を獲得しています。

伝統的な乳製品の味と食感を再現するよう設計されており、さまざまなレシピへの使用が可能です。
同社は2021年の創業後、2年間に及ぶ研究開発を経て、2023年に初めて代替チーズの開発を発表。同年に500万ユーロ(約8億8,600万円)の資金調達を実施しました。
ターゲットとしてZ世代に狙いを定め、今年5月にはミラノの街中でゲリラマーケティングを展開。俳優陣が牛のマスクを被った観光客に扮し、チーズを作る必要がなくなった牛たちが休暇に出かけている設定のパフォーマンスを行って注目を集めました。
素晴らしい食文化の一翼を担う代替チーズ
フランスではヴィーガンチーズ市場が急成長を見せており、乳製品フリーチーズの売上高は2024年に19%増加。規模は比較的小さいものの、同国の植物性食品市場で最も成長率の高い分野となっていました。
国内の既存のヴィーガンチーズメーカーには、Jay&Joyとその子会社Les Nouveaux Affineurs、Sojami、Petit Veganne、Tomm’Pousseなどがあります。
DreamfarmのCEOを務めるGiovanni Menozziは、「植物由来の代替品を、チーズ愛好家を象徴するような国に届けられることを嬉しく思う。伝統的な乳製品と同じ喜びと創造性を提供して、フランスが誇る素晴らしい食文化の一翼を当社が担えるだろう」と語っています。
同社の製品はこれまで、Official Vegan Shopなどのオンラインプラットフォームや、Végétal FoodやPrevogelといった流通業者を通じて、外食分野ではフランス国内でも販売されてきましたが、Monoprixとの提携はブランドの拡大における新たなフェーズに入ると位置付け。
実店舗での小売り展開は、フレキシタリアン、ヴィーガン、その他の植物由来の選択肢に関心を持つ消費者層という、より広い顧客基盤に製品を提供することにつながります。
同社はまた、欧州全域での継続的な成長戦略を描いており、年内に別の市場での展開拡大も計画しています。
参考記事:
Dreamfarm Brings Plant-Based Cheeses to Paris Supermarkets
Italian Vegan Cheese Startup Brings Mozzarella, Stracciatella & More to France
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