英Cultigen Groupが培養肉に特化したB2Bマーケットプレイス「Cellbase」を立ち上げ

今年、培養肉の市場化に先立って消費者向けオンラインショップを開設した英国企業のCultigen Groupが、培養肉企業の調達を効率化する新たなB2Bマーケットプレイス「Cellbase」を立ち上げました。
未来の食品生産に欠かせないバイオリアクター、培地、足場、細胞株といった特殊資材・機器の調達プロセスを簡素化する試みです。
生産と供給をつなぐプラットフォーム
培養肉産業は、断片化されたサプライチェーンにより調達面での大きな課題に直面してきました。Cultigen Groupの創業者David Bellによると、同分野の多くの企業が非効率な調達慣行に苦慮しているとのこと。
「どの企業も、複数のサプライヤーのウェブサイトから見積もりを依頼し、製品情報を手作業で収集するのに時間を浪費している。重要な部材の供給元を見つけるには、食品用途については理解していない製薬業界のサプライヤーのページをひたすら検索する必要があった」といいます。
ほかの産業における従来の調達手法は、培養肉企業に特有のニーズを満たしていません。医薬品では異なる仕様が求められる一方、培養肉生産には食品用途向けに検証済みの製品と、生産拡大の具体的な要求を理解するサプライヤーが不可欠。
例えば企業は、短期の研究目的ではなく、数カ月間連続で稼働可能なバイオリアクターを必要としています。「その特異性ゆえに、垂直統合型のマーケットプレイスに価値が生まれる」とBellは指摘しました。
「Cellbase」は、培養肉生産の複数カテゴリーにわたる厳選されたサプライヤーのリストを提供し、これにはさまざまな動物種の細胞株、培地、バイオリアクター、足場、インキュベーター、遠心分離機、センサー、フィルターやチューブなどの消耗品が含まれます。
各製品ページには、それぞれの使用事例や、規制上の注意事項、互換性に関する情報が記載されており、企業が迅速に必要なものを特定するのに役立ちます。
大規模な市場化に先立ちインフラを整える
20の言語と「世界中の主要通貨すべて」に対応したこのマーケットプレイスは、業界の成長に合わせて拡張できるよう設計されています。現在、培養肉企業の多くは研究開発または初期のパイロットフェーズにありますが、最近では商業規模のプロジェクトも勢いを増してきている状況。
Believer MeatsやAleph Farmsといった企業はすでに大規模な生産施設のプロジェクトを進めており、注文量の増加とコンプライアンス要件の強化に伴い、調達業務の複雑化が予想されます。
「Cellbase」は、外部資金を一切調達せずに立ち上げられました。サービス開始にあたって提携しているサプライヤーには、Multus、Sallea、Quest Meat、KCell、Cellcraft、Qkine、Nexture Bioなど。成長に伴って新たなパートナーの参画を呼び込む計画です。
出品料や月額料金、隠れた費用は一切かからず、販売が成立した場合にのみ手数料を徴収する仕組み。調達プロセスの効率化を図る培養肉企業と、特定の買い手が集まる高成長市場への参入を目指すサプライヤーの双方を利する取り組みを進めます。
Bellは「5年前にはこの市場は存在すらしなかったが、今では現実のものとなった。規制認可の進展、商業生産への移行、培養肉向けに特化した製品を扱うサプライヤーの登場が組み合わさったことで、インフラプラットフォームが機能する条件が整っている」としています。
同種の試みとしては、日本企業のインテグリカルチャーによるサービス「勝手場(Ocatté Base)」が昨年始動。独自に開発した生産システムや培地などの原料を取り扱っているほか、日揮HDの子会社オルガノイドファームのウシ筋芽細胞を販売しています。
参考記事:
David Bell | LinkedIn
We Built the Procurement Layer the Cultivated Meat Industry Didn’t Have | Cellbase
New B2B Marketplace Launched to Address Cultivated Meat Industry’s Procurement Challenges
Cultigen Group Unveils Cellbase, a Global B2B Marketplace Designed to Fix Cultivated Meat’s Procurement Bottleneck


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