• HOME
  • ニュース
  • 代替素材
  • 英・ケンブリッジ大学発のSparxell、化石燃料を使用しない植物由来色素の量産化に向け約7.8億円を調達

英・ケンブリッジ大学発のSparxell、化石燃料を使用しない植物由来色素の量産化に向け約7.8億円を調達

英国のスタートアップ企業Sparxellが、ファッション・包装分野で化石燃料由来の着色料を植物由来のものへと置き換えるため、プレシリーズAラウンドで420万ユーロ(約7億8,000万円)を調達したと発表しました。

セルロースを抽出して構造色を生み出す技術


このラウンドはSWEN Capital Partnersの「Blue Ocean 2」ファンドが主導し、Alpha Star CapitalとCambridge Enterpriseが参加しました。パイロットプログラムから量産・商業化への移行を助ける新たな資本を得て、Sparxellはトン単位の生産施設を今年中に稼働予定です。

Alpha Star Capitalの共同創業者で代表を務めるAlexandre Cadainは、Sparxellに引かれた理由について、「既存の化学技術に持続可能性を後付けしようとするのではなく、Sparxellは自然の構造を用いて原理から色彩を再構築した。これは業界が長年抱えてきた課題に対する明確な解決策を提供するものだ」と説明しています。

Sparxellは2023年、ケンブリッジ大学の科学者Benjamin DrougetSilvia Vignoliniが、大学からスピンアウトする形で設立しました。

同社の技術は、シャボン玉や甲虫・蝶などの生物が鮮やかに発色する原理を応用したもの。木材パルプからセルロースの結晶を抽出し、特定の波長の光を反射する微細構造に組み上げることで、100%植物由来の構造色(物理構造に基づく光の反射によって見える色)を作り出します。

これにより、石油由来の化学物質、合成染料、有害な重金属や鉱物を使用せず、生分解性の着色料を実現しました。繊維、化粧品、食品、包装材、塗料、自動車産業など幅広い分野のニーズに対応できます。

規制が進み、岐路に立たされる色素業界


従来使われてきた素材の環境影響が問題となる中、欧州ではPFAS(有機フッ素化合物)のような「永久に残る化学物質」の使用を禁止する動きが加速。EUのマイクロプラスチック規制も施行され、米国ではFDAが合成着色料の再評価に着手しました。

Drougetはこれらの動きに言及して、「企業はサプライチェーンから合成毒素を排除するよう圧力を受けており、我々は転換点に立っている」と述べています。

それに伴ってベンチャーキャピタル界隈では化石燃料フリーの着色料が大きな関心を集めており、ここ数カ月だけでも、精密発酵により食品グレードの天然色素を開発するChromologicsOctarine Bioが資金調達に成功しています。

Sparxellもまた、画期的な技術を武器に、すでにさまざまなブランドとの提携を実施。英国のラグジュアリーブランドPatrick McDowellは昨年、オートクチュールのガウン、シャツドレス、バッグに生分解性色素を採用しました。

繊維会社のPositive MaterialsはSparxellの構造色技術を用いたインクのシリーズを発売し、材料科学のイノベーターPangaiaとは共同で世界初の反射顔料を発表しています。

参考記事:
Sparxell raises €4.2 million to scale plant-based colour technology for fashion and textiles | EU-Startups
Cambridge University Spinout Bags $5M to Scale Up Fossil-Free, Plant-Based Colours
Sparxell Raises $5m in new funding round to scale its plant-based colour tech – FashionNetwork USA
Cambridge-based Sparxell secures $5m in pre-Series A funding

関連記事

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。