インドのBioleather、トマト由来の生分解性レザーを開発

代替レザーを手掛ける、インド企業のBioleather。トマトの廃棄物からセルロース繊維を抽出した、生分解性のレザー素材「Tomato Composite」を開発し、製品展開を行っています。

軽量かつ頑丈な代替レザー


「独特の質感、色、特性を持つエキゾチックな素材」と評されるこの代替レザーは、2つの層から構成されています。これにより、耐久性を向上させるためにほとんどの植物性代替レザーに使用されているポリウレタンの層が不要になり、プラスチック削減にもつながると言います。トマト由来の素材の自然な特性により変形を防止し、軽量で手入れが簡単、水や擦り傷にも強いというメリットも。

同素材は2021年、動物愛護団体のPETAが主催するヴィーガン・ファッション・アワードで、テキスタイル部門のベスト・イノベーション賞を受賞。Bioleatherは現在、トマトレザーで仕立てた靴やバッグを販売しているほか、同素材を自社製品に使用したい企業向けにカスタマイズして提供も行っています。

同社では他にも、微生物由来の生分解性ヴィーガンレザー「Bioleather」を製造。天然染料のみを使用した、カーボンニュートラルな素材です。ワニ革(アリゲーター)の質感を模した「Exotic Bioleather」もあり、こちらは高級品に最適とのこと。

バナナ、コーヒー、花など、何でもレザーに


Bioleatherの他にも多くの企業が、廃棄されるはずだった植物由来のさまざまな素材をベースに、サステナブルな代替レザー製造に取り組んでいます。インド国内では、Atma Leatherがバナナの廃棄物を代替レザーに変え、Rashkiなどのファッションブランドで採用。Fleatherは、ヒンドゥー教の寺院に供えられた後廃棄された花を、見事にアップサイクルしています。

UAEのLeukeatherは、ギンネム(Leucaena leucocephala)というマメ科の植物の鞘を使い、フランスのZètaはNespressoと提携してコーヒーの出し殻から代替レザーを作りました。

ZètaでCEOを務めるLaure Babinは語っています。「もはや、持続可能な素材や天然資源を使っているだけでは間に合いません。捨てられている物の中にも、使えるものがたくさんあります。廃棄物に新たな命を与えて、革新的で見た目も美しく、耐久性も兼ね備えた新しい製品を生み出し続けます」

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