Aleph Farmsがシンガポールで培養牛肉の認可を取得、2027年にレストランでの展開を目指す

イスラエルの培養肉企業Aleph Farmsが、シンガポール食品庁(SFA)から培養牛肉の販売認可を取得したと発表しました。2027年に提携するレストランでの発売を計画しています。

本国イスラエルに続く2カ国目の認可事例に


2017年に設立されたAleph Farmsは、遺伝子組み換えを行っていない牛の細胞から牛肉を作り出す技術開発を進め、これまでに1億4,700万ドル(約232億円)の資金を調達。

スイス、英国、タイなどの市場ですでに認可申請を行っており、欧州連合(EU)やアラブ首長国連邦(UAE)においても認可取得を目指す方針を明らかにしています。

2024年1月には、イスラエル保健省(IMOH)から安全性に関する「No questions(異議なし)」レターを受領。今回のシンガポールで、申請から4年近い歳月を経て、2カ国目の認可を得ることに成功しました。

これまでに世界各地で販売が認められたヒト向けの細胞培養食品は、鶏肉、ウズラ肉、鴨肉、サーモンのみ。Aleph Farmsは、培養牛肉で規制当局の承認を取得している唯一の事業者となっています。

2020年に世界で初めて培養肉の食品としての販売を認めたシンガポールは、その後も複数の製品を承認してきましたが、牛肉製品は今回が初の事例です。

シンガポールを拠点に、アジア太平洋地域で事業拡大へ


Aleph Farmsは、「Aleph Cuts」ブランドの第1弾となる製品で、培養牛細胞と植物性タンパク質を組み合わせて作られる薄切りステーキ「Thin-Cut Steak」の市場化を目指しています。

今年1月、同社はシンガポールに拠点を置く受託製造会社のCell AgriTech提携するとともに、シンガポール法人を立ち上げました。自社施設を持たない「アセットライト」モデルにより多額の設備投資を避け、同国をアジア太平洋地域における事業拡大の拠点とする狙い。

2027年にシンガポールで生産ラインを稼働させ、提携するレストランでの発売を計画しています。

シンガポールは食料の90%以上を輸入に頼っており、牛肉の地域的な流通拠点としての役割も担っています。Aleph Farmsはこうした背景を踏まえ、自社製品を従来の供給に取って代わるものではなく、それを補完するものと位置付けています。

共同創業者でCEOのDidier Toubiaは、「シンガポールは培養肉に関して世界有数の強力なエコシステムを構築しており、今回の認可によって、当社は資本効率の良い形でアジアにおける商業化へと進むことができる」とコメント。

「食料安全保障の観点から、動物性タンパク源の多様化が求められている。当社の狙いは、従来の牛肉サプライチェーンを置き換えるのではなく補完すること。シンガポールはその取り組みを始める最適な場所だ」と述べています。

参考記事:
Singapore Clears Its First Cultivated Beef With Aleph Farms Approval
Aleph Farms wins Singapore approval for cultivated beef as second market opens | PPTI News
Aleph Farms plans 2027 cultivated beef launch in Singapore after securing green light from regulators

関連記事

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。