GFI APACがWHOと連携、代替プロテインを公衆衛生戦略に組み込むよう政策立案者への提言実施へ

世界保健機関(WHO)のアジア・太平洋環境保健センター(ACE)と、代替プロテイン業界の非営利シンクタンクThe Good Food Instituteの支部、GFI APACが、複数年にわたるパートナーシップを締結しました。
協働の一環として、食料システムにおける植物性代替肉および培養肉の役割に関するレポートを発行する予定です。
代替プロテインを公衆衛生戦略に組み込む
GFIの創設者であるBruce Friedrichと、韓国・ソウルに拠点を置くACEの所長Sandro Demaioは、ソウルで本合意に関する調印式を済ませ、今月ローマの国連食糧農業機関(FAO)本部で開催された「世界食料フォーラム(World Food Forum)」の場で発表を行いました。
合意には、本パートナーシップ専任でWHOの技術スタッフ2名、および外部の学術研究者1名を配置するための資金を確保する内容が含まれており、3名はいずれも韓国を拠点に活動する予定です。
WHOは、代替プロテインを公衆衛生戦略にどのように組み込むかについて、アジア・太平洋地域の各国政府間での合意形成を図ることを目的として、新たなレポートを作成する計画。同種の取り組みとしては初であり、以後一連のセミナーや技術資料を作成する際に基盤となるものです。
本パートナーシップにはまた、保健、環境、食料システムの各分野のステークホルダー間における協働や、持続可能かつ気候変動に強く、健康を促進する食料システムへの移行を目指すWHO加盟国への支援も含まれています。
「WHOの西太平洋地域では現在、死亡者の10人中9人は非感染性疾患が原因であり、その多くは食事に関連している。それと同時に、私たちの食料システムは環境への圧力を増大させており、人間・動物・地球の健康に影響を及ぼしている」とDemaioは指摘し、「これこそ、食料システムの変革がWHO ACEの掲げる5カ年戦略において重要である理由だ」と述べています。
政策立案者への提言を実施する方針
GFI APACは、WHOとのパートナーシップの意義を、疾病および薬剤耐性の問題という観点から説明。国連環境計画(UNEP)の調査結果を引用し、農業の集約化が、ヒトに発生する人獣共通感染症の半数以上に関与しているほか、近年のアフリカ豚熱や鳥インフルエンザの流行とも関連していると指摘しました。
また、アジアの畜産における抗生物質の使用量が多いことも問題視しています。抗生物質の使用は、薬剤耐性菌による感染症のリスクを高めることにつながり、国連の推計によると、このままでは2050年までに年間1,000万人が死亡するようになる恐れがあるとも。元WHO事務局長のマーガレット・チャンも、この危機は「我々が知っている現代医療に終止符を打つ可能性がある」と述べているほどです。
植物性代替肉や培養肉は、生きた動物が関与しないため、製造過程で抗生物質を必要としません。GFI APACはさらに、植物性タンパク質は一般的に動物性タンパク質よりも食物繊維が豊富で、飽和脂肪酸やコレステロールが少ないと説明。また、培養肉は管理された環境下で生産されるため、汚染物質や食中毒の原因となる病原体にさらされるリスクを低減できます。
GFI APACは、過去2年間で韓国において複数の協定を締結してきました。その中には、2024年にKoreaBIOおよびBio-based Future Food Industry Committeeとの間で締結した3者間覚書や、2025年にWorld FoodTech Councilと結んだ、研究開発および新規食品の規制に焦点を当てた提携などが含まれます。
今後、WHOとGFI APACは、本パートナーシップから得られる提言を、地域・国・国際的なレベルで適用することに関心を持つ、アジア・太平洋地域の政策立案者たちと連携していく方針です。
参考記事:
Bruce Friedrich | LinkedIn
World Health Organization Signs Multi-Year Alternative Protein Partnership With GFI APAC
WHO Partners with GFI APAC to Publish Public Health Report on Alternative Proteins


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