英国食品基準庁(FSA)が新規食品の認可プロセスを簡素化する改革案に合意
英国食品基準庁(FSA)が今月20日に開催された理事会で、香料、飼料添加物、新規食品(培養肉など過去に消費された歴史のない食品)など、さまざまな食品に適用される新たな規制改革案に合意しました。
培養肉や精密発酵食品に対する規制手順を近代化し、製品の市場投入における不必要な遅れをなくすことが目的となっています。
認可製品の登録リストを作成
FSAが合意した改革案の一つは、認可製品に関する新たな公開登録リストを作成し、新製品の市場投入を承認するプロセスを簡素化すること。
現在は新製品の認可にあたって法定文書の発布が必要ですが、これには3〜6カ月を要することがあり、ただでさえ長い約2年半の認可プロセスをさらに引き延ばす要因となっています。
FSAは登録リストの運用でこの期間の短縮を見込みますが、製品が上市される前に、安全性と栄養価についてエビデンスに基づく徹底した評価を行うことを強調。製品の承認にあたっては、現行の閣僚が引き続き最終的な決定権を持ちます。
GFI Europeで英国政策マネージャーを務めるLinus Pardoeは、「英国が科学大国としての野望を達成し、食料安全保障を強化する上で、代替プロテインはゲームチェンジャーとなり得る。規制当局は、消費者のこうした食品への信頼を醸成する上で規制当局の果たす役割は重要であり、規制の枠組みは技術革新と歩調を合わせなければならない」とコメント。
「これらの改革は正しい方向への一歩だが、できることはまだまだ多くあるだろう」と述べ、申請前に企業との対話を設けることや、代替プロテインの各分野に特化したガイドライン作成により要件を明確化することなどを挙げています。
再認可を義務付ける要件を撤廃
FSAが導入を検討するもう一つの改革は、すでに市場に出回っている製品について、数年後に再認可を受けることを義務付けている要件を撤廃すること。FSAによると、認可申請の22%は再認可に係るものであり、その大部分は動物飼料に関連しています。
この要件の撤廃により、FSAの人的リソースを解放でき、ほかの食品部門に利益をもたらせると期待されています。
英国における現行の食品安全規制の枠組みは、ブレグジット前に従っていたEUの規制と類似していますが、FSAは今後数カ月以内に「維持されたEU法を撤回・改革する法律(Retained EU Law (Revocation and Reform) Act 2023」の権限を行使して、新規食品規制を含む関連規則を改正する計画です。
さらに、国際的な信頼を得ている規制当局からの意見を求めるなど、規制制度を将来にわたって維持するためのその他の変更も検討。FSAは、6月に開かれる次回の理事会で、変更計画のさらなる詳細を発表予定としています。
参考記事:
Regulated Products Reform Update | Food Standards Agency
UK Food Standards Agency to modernise regulations, boosting consumer choice for sustainable foods – GFI Europe
UK Food Standards Agency to reform regulations for new foods – FoodBev Media
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