独Cultimate Foodsが、培養脂肪製品「CultiFat」を用いたハイブリッド肉を発表
培養脂肪を開発するドイツのCultimate Foodsが、アクセラレーターのProVeg Incubatorが主催した試食会で、培養脂肪製品「CultiFat」を用いたハイブリッド肉製品を発表しました。
ゲームチェンジャーとなり得る、画期的な機能性素材
CultiFatはハイブリッド肉製品用の機能性素材として、通常よく添加される香料、ココナッツオイル、メチルセルロース(弾力のある食感をもたらす増粘剤)などを置き換える原料。
肉に独特の味と香りを生む脂肪酸を含んだ牛や豚の筋内脂肪(霜降り状に見られる脂肪)から、細胞培養により得られたものです。
ProVeg Incubator役員のAlbrecht Wolfmeyerも、「植物性代替肉のカテゴリーでゲームチェンジャーとなり得る、画期的な機能性素材」と評価しています。
Cultimate Foodsは、植物性代替肉を一つ上のレベルに引き上げる食材を提供することを目的に、Oskar Latyshev、Eugenia Sagué、George Zheleznyの3人が2021年に設立。ドイツのゲッティンゲンに研究開発施設を所有しており、独自の細胞農業技術を用いて、高品質な油脂の開発に注力しています。
昨年11月には、動物の脂肪組織を3次元培養するというアプローチをさらに進めるため、Big Idea Ventures、ProVeg International、Realum.cloudが主導するプレシードラウンドで70万ユーロ(約1億400万円)を調達しました。
商用化で培養肉に先んじる可能性も
その他のハイブリッド肉を開発する企業として、直近ではSaba Fazeli(Beyond Meatの初代研究開発エンジニア)の立ち上げたPaul’s Tableが、動物性コラーゲンと脂肪をブレンドした、植物性原料90%のハイブリッド肉を発売しました。
スイスの培養肉スタートアップMirai Foodsは、Rügenwalder Mühleと共同で、植物性プロテインと培養牛脂肪からなるハイブリッド肉を開発。
米国の食肉大手カーギルの支援を受けるスペインのCUBIQ FOODSも、植物性代替肉に添加する培養脂肪を開発しています。
植物性代替肉をより肉本来の味に近づけ、肉好きな人も満足させる仕上がりにする可能性を持ったハイブリッド肉。純粋な培養肉製品の大規模生産が実現可能になるまでのソリューションとしても、近い将来に市場を席巻するトレンドとなるかもしれません。
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