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米Dyadic Internationalが、培養肉のコストと倫理的課題を解決する、アニマルフリーのウシ血清アルブミンを発表

米国のバイオテクノロジー企業Dyadic Internationalが、同社で開発したアニマルフリーのウシ血清アルブミンが、独立機関による分析で市販の動物由来のアルブミンと構造的に同一であることが確認されたと発表しました。

培地に使用されるウシ胎児血清(FBS)を代替


製薬業界では広く用いられ、ヒト治療薬、PCR、ワクチン開発などに応用されているウシ血清アルブミン(BSA)。培養肉生産において、動物細胞を培養する培地として頻繁に使用されるウシ胎児血清(FBS)の主成分です。

ウシ胎児血清を採取するには殺処分が必要なこと、高価であり生産コストを押し上げることから、代替品の開発が求められていました。

Dyadic Internationalでは、ウシとヒトの血清アルブミンの代替品を開発しており、いずれも高純度で効率的に発現させることに成功。同社のアルブミンは、第三者機関による分析試験で市販の標準試料と同等であることが示された、画期的なものとなりました。

大規模生産も可能な微生物プラットフォームを構築


Dyadic Internationalは、バイオ医薬品を開発・製造するための微生物プラットフォームの設計・構築を行う企業。また、食品、栄養、健康用途の代替プロテイン生産も手掛けています。

同社は長年の研究開発の末、遺伝子組み換えした糸状菌株を用いてタンパク質を生産する、微生物プラットフォームを開発。世界的な代替プロテインの需要増に応える、低コストで柔軟な大規模生産を可能にしました。

2021年には、TurtleTree Scientificとの提携により、持続可能な乳製品や食肉を作るための成長因子を開発しています。

同社でCBO(最高業務責任者)を務めるJoe Hazeltonによると、世界の血清アルブミン市場は2022年時点で57億ドル(約8,040億円)、2028年には82億ドル(約1兆1,600億円)に達すると予想されており、代替品を提供することで大きな成長機会を得られるといいます。

代替血清アルブミンの主な顧客は、バイオテクノロジー企業や製薬会社、特にワクチン開発に携わる企業。また、病院、診療所、研究開発機関なども対象とし、商業化のチャンスをうかがう考えです。

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