ドイツのNosh Biofoodsと米Ginkgo Bioworksが提携、AIの活用で菌糸体由来代替肉の風味改善へ

マイコプロテインを手掛けるドイツのNosh Biofoodsが、米国の合成生物学企業Ginkgo Bioworksとの提携を発表しました。優れたタンパク質を生産する菌株を発見するため、Ginkgo Bioworksの細胞プログラミング・プラットフォームを活用する計画です。

代替プロテイン開発にAIを導入


Nosh Biofoodsは、バイオマス発酵により植物性食品向けの機能性原料を生産する企業。今年初めに行われたシードラウンドで、320万ユーロ(約5億円)の資金調達に成功しました。

今回の提携により、Ginkgo Bioworksの菌株最適化サービスを活用して、マイコプロテイン生産に用いる真菌株をスクリーニング。より風味豊かで栄養価の高い、代替肉の開発を目指します。

同社によると、ステーキのような赤身肉製品は再現が最も困難であり、現在入手可能な代替品には化学添加物など多くの成分が含まれているとのこと。マイコプロテインを用いた非常に効率的でコスト効率の良い製造プロセスにより、従来の食肉と同じような味と食感を持ちながら、より健康に良い代替肉を作ることができるといいます。

突然変異を誘発して菌株を発見


このような食材の製造を可能にするのが、Ginkgo Bioworksの細胞プログラミング・プラットフォーム。独自のカプセル化・スクリーニング技術「EncapS」を用いて突然変異を誘発し、最も優れた菌株を選択する手助けをします。

合成生物学のユニコーン企業であったGinkgo Bioworksは、2021年にSPAC(特別買収目的会社)のSoaring Eagle Acquisition Corp.と合併し、150億ドル(約2兆2,400億円)の評価額を付けてニューヨーク証券取引所に上場しました。

これまでに、スイスの大手原料メーカーGivaudan、代替素材「b-silk」を開発する米Bolt Threads、製薬大手のファイザーなどとも提携を実施。

また、同社の保有する技術は、代替肉メーカーの米Motif FoodWorksJoyn Bio(バイエルとの合弁会社)といったスピンオフ企業にもつながっています。

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