独Koralo、微細藻類と菌糸体を用いた代替魚「New F!sh」を韓国で発売

韓国で代替シーフードを開発するドイツのスタートアップ企業Koraloが、ソウルにあるレストランStyleveganおよびMonks Butcherで、同社初の製品「New F!sh」を発売しました。

藻類で菌糸体を育てる新たなアプローチ


Koraloは、微細藻類と菌糸体を「共発酵(co-fermentation)」させることで、革新的なクリーンラベルの代替シーフードを製造。菌糸体を成長させる栄養分として微細藻類を与えることで、藻類をベースとする魚の食習慣を模倣するアプローチを採っています。

新製品となるNew F!shは、地元のパートナーと協力し、韓国で好まれる味に合わせているとのこと。同社によると、何度もテストを重ねて、ジューシーでフレーク状の食感を持ち、崩れにくい切り身を実現。低カロリー・低脂肪でありながら、本格的な魚の味が楽しめる製品だといいます。

タンパク質に加え、オメガ3脂肪酸、プロバイオティクス*、ビタミンB2・B12など、従来のシーフードを超える栄養素を豊富に含んでいるのが魅力。グリル、蒸す、煮込む、炒めるなど、調理における汎用性の高さも際立っています。

* 腸内に存在する、乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌。腸内環境の改善、免疫機能の強化などの効果がある。

シーフード消費量の多い韓国に照準を合わせる


Sina Alvarez Coralloが昨年創業したKoraloは、これまでに累計330万ユーロ(約5億1,800万円)の資金調達を実施。パイロットプラントの建設を進める欧州で発酵生産プラットフォームの規模を拡大し、今後2年以内に欧州および米国の市場に参入する予定だと説明しています。

先月結成された、14カ国・36社からなる世界初の代替シーフードの業界団体「Future Ocean Foods」にも参加。同団体に加盟する企業の40%が女性により創業された企業となっていますが、Koraloもその一つです。

同社は、一人あたりの年間シーフード消費量が55.27kg(米国の2倍、ドイツの4倍以上)と世界の中でも多い国、韓国に子会社を設立。

当面は同国の市場に照準を合わせ、レストラン、ミールキット製造者、外食流通業者とのパートナーシップ締結や、より多くの消費者にリーチするため小売業への参入など、来年に向けての拡大計画を発表しています。

さらに、エビとサーモンの代替品を発売するための製品開発にも取り組んでいるとのことです。

持続可能性に関しても、同社の製品は大豆タンパク質やその他の代替シーフードと比べて、CO₂排出量や土地・水の使用量が大幅に少ない主張。SDGsに沿った、持続可能で栄養豊富な食品生産の重要性を強調しています。

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