ウガンダのFiber Foods、資金調達を経て代替肉原料となるジャックフルーツの世界展開へ

ジャックフルーツをベースにした代替肉原料を展開するウガンダのFiber Foodsが先月、PeakBridgeとEIT Foodがアグリ・フード業界向けに立ち上げたファンド、FoodSparksからの資金調達を行ったと発表しました(調達額は非公開)。

代替肉原料として人気のジャックフルーツ


Fiber Foodsは、Ineke AquariusInez van Oordという2人のオランダ人女性起業家により2019年に設立された企業。オランダ政府からの助成金を得て、植物性食品に活用できるフルーツを探して試行錯誤した末、「世界最大の果実」といわれるジャックフルーツに目を付けました。

東南アジアや南アジア、アフリカなどで栽培されるジャックフルーツ(別名:パラミツ)は、現地では生でも食べられる食材として親しまれていますが、熟する手前の果実に火を通すと果肉が繊維状にほぐれる性質があります。

これがプルドポークやツナのような食感になるため、米国のベジタリアンやヴィーガンの間で人気に火が付き、一躍ポピュラーな食材となりました。

タンパク質含有量はそれほど多くありませんが、食物繊維が豊富で低カロリー、コレステロールや飽和脂肪酸を含まない点も魅力です。

すべてのステークホルダーに経済的、社会的、持続可能な価値を創造するという理念を持ったFiber Foodsは、東アフリカの家族経営の小規模農家から公正な価格でジャックフルーツを調達

地元の工場で脱水・乾燥させフレークやパウダー状に加工したものを、「PrimeJack」ブランドのもと流通させています。

東アフリカ産の製品を欧州、米国へ展開


PrimeJackは、本物の肉によく似た食感でさまざまな料理に使用できる、多用途かつ手頃な食品原料。創業者の一人Aquariusによると、この原料は植物性食品としての利用にとどまらず、ハイブリッド肉製品への活用も進んでいるとのこと。

Nutri-Score(ニュートリスコア)を高めたい欧州企業にとっては特に有用で、同社の顧客企業でも肉の20〜30%をジャックフルーツ原料に置き換えることで、栄養価向上と低コスト化につながっているといいます。

同社初となる製品の開発にあたっては、オランダ企業のTeam Tastemakersが技術指導を実施。その結果として、Fiber Foodsは2021年にオランダに進出し、植物性食品への需要の高まりに対応する革新的な東アフリカ産の製品を、欧州の外食産業向けに導入しました。

これまでは欧州市場に注力してきましたが、今回の資金調達を受け、大手食品原料サプライヤーとの協働による米国市場への進出を計画しています。

参考記事:
Uganda’s Fiber Foods Secures Investment for Jackfruit Ingredient for Meat Alternatives
Fiber Foods eyes US expansion for dried jackfruit with help of PeakBridge funding

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