韓国の植物性食品大手Pulmuone、培養シーフード生産の合理化を目指しAIロボティクス企業と提携

韓国の植物性食品メーカーPulmuone(プルムウォン)が、スイスABBの現地法人、ABB Korea Roboticsとの間で、培養シーフードの開発に関する業務提携を締結したと発表しました。

ロボットによる自動化を培養肉生産に応用


この提携は、ABBの有するロボティクス技術を活用してシーフードの培養工程を自動化することを目的としたもので、2026年までに培養シーフード製品の量産化を目指します。

プレスリリースによると、両社は細胞農業界におけるAIロボティクスの研究開発の先頭に立ちたいと考えており、この提携が世界で初めて人工知能(AI)を搭載したロボットによる自動化を培養肉生産に応用するものになると期待しているとのこと。

提携には技術や製品に関連した知的財産の保護などの内容も含まれ、両社間で研究施設・設備の共有、専門人材の交流などに注力し、生産効率の向上を図ります。

Pulmuone Institute of TechnologyのKim Sang-guは、「オートメーションとロボティクスで世界をリードするABBの技術と、当社の細胞培養技術を組み合わせることで、技術競争力を強化し、さらなるシナジーを生み出すことが期待できる」とコメント。

「近い将来、持続可能な培養シーフード製品の大量生産システムの確立を加速させ、画期的な技術革新をリードしたい」としています。

細胞ベース、発酵ベースのカテゴリーに進出


1981年創業のPulmuoneは、40年以上にわたって豆腐メーカーとして市場をリードしており、アジアにとどまらず米国でも植物性食品ブランド「Nasoya」や「Wildwood」を展開しています。

ここ数年で、培養肉やマイコプロテインを手掛ける企業への投資や提携を通じて、代替プロテイン業界における植物性以外のカテゴリーにも進出してきました。

以前から米国の培養シーフード企業BlueNaluへ出資を行っており、同社の培養マグロを韓国で商品化する内容の契約を締結。

韓国のスタートアップ企業Simple Planetとは、ハイブリッド肉(培養肉+植物由来成分)製品の共同開発と市場化に取り組んでいます。

さらに、今年2月には菌糸体のバイオマス発酵を手掛けるドイツのInfinite Rootsとも提携し、韓国市場のニーズと味の嗜好に合わせた革新的な菌類タンパク質製品の開発を進めるとしていました。

韓国では、細胞性食品の開発における規制特区が創設されたことに続き、先月には海洋水産部が、植物性シーフード・培養シーフードの技術開発のための研究資金として286億ウォン(約32億6,000万円)の資金提供を行うと発表。市場化に向け、政府・企業双方の取り組みが活発化しています。

参考記事:
Pulmuone and ABB sign joint R&D agreement for cell-based seafood | The Cell Base
Pulmuone Signs R&D Deal with Robotics Company ABB to Advance Cultivated Seafood Plans
Pulmuone Announces New Collab to Streamline Cultivated Seafood Using AI Robotics

関連記事

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。