イスラエルのBrevelが、持続可能な藻類タンパク質の商業生産プラントを開設

微細藻類タンパク質を活用して持続可能な食材を生産するイスラエルのBrevelが、初となる商業生産プラントの開設を発表しました。

5,000リットルで生産を開始


Brevelは昨年7月、NevaTeam Partnersがリードインベスターとなり、欧州連合のEIC Fundも参加したシードラウンドで1,850万ドル(約28億8,000万円)の資金を調達

この資金を活用してイスラエル南部の砂漠地帯近郊に建設した新拠点は、敷地面積27,000平方フィート(約2,500平方メートル)で、本社、R&Dセンター、大規模な商業生産エリアを含みます。

生産エリアには、3リットル、50リットル、500リットル、そして同社初となる5,000リットルと、容量の異なる複数のバイオリアクターを設置し、合計30,000リットルまでのスケールアップが可能。

主に代替乳製品の原料となる微細藻類タンパク質濃縮物(60~70%)を数百トン生産することができ、2025年の第1四半期までに米国で最初の製品発売を予定しています。

光と発酵を1つのプロセスに統合


CEOのYonatan Golan、COOのMatan Golan、CTOのIdo Golanの3兄弟により2017年に設立されたBrevelは、クロレラ科の微細藻類株、糖分、そしてLEDの光を利用して、機能性タンパク質を生産するバイオマス発酵プロセスを開発しました。

CEOのYonatanは、「通常、発酵は光のない環境に限定されているが、タンパク質、脂質、繊維、色素など、微細藻類が本来持っている栄養素の産生は光合成に依存している」と説明。

光と発酵を組み合わせることで、多種多様な価値ある副産物を同時に生産することができるといい、タンパク質原料と並行して、乳化剤として機能する極性脂質、食品原料となる水溶性繊維、サプリメント向けの色素など、副産物を利用した製品の開発も進めています。

製品開発・規模拡大戦略


Brevelは、2022年にヴィーガン食品メーカーのVGardenと提携し、タンパク質を豊富に含んだ植物性チーズを開発。この製品は、規制当局の認可を得た後、まず外国市場で発売され、追ってイスラエルでも発売される予定です。

同社の菌株は米国でGRAS(Generally Recognized as Safe)ステータスを取得しており、欧州食品安全機関(EFSA)の定める新規食品(Novel Food)にも当たらないとのこと。

しかし、抽出されたタンパク質は規制当局の認可を受ける必要があり、すでに手続きを進めているといいます。

微細藻類タンパク質は、大豆やエンドウ豆のような従来の植物性タンパク質をシームレスに置き換えることができ、さらにマスキング香料をあまり必要としない、植物性チーズの増粘剤やゲル化剤などの添加物を置き換えることができる、といった利点も。

米国、欧州、そしてアジアでも複数のパートナー企業と合弁事業の可能性を模索しており、90万リットルの生産能力を持った大規模施設の建設も検討中。

最終的な目標として、「成長する植物性食品産業の需要を満たすべく、数百万トンの生産能力を達成すること」を掲げています。

参考記事:
Biomass Fermentation Leader Brevel Inaugurates Commercial Plant for Affordable, Nutritious Microalgae Protein
Brevel Opens Microalgae Protein Factory to Create Superior Plant-Based Dairy Analogues
Brevel unveils commercial algae protein plant with focus on alt-dairy: ‘Our protein is superior to soy and pea…’

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