Mosa Meatがオランダで培養牛脂を用いたハイブリッド製品の試食イベントを開催
2016年から培養肉の開発を続けるオランダの企業Mosa Meatが、今月15日に培養牛脂を原料に用いた製品「Mosa Burger」の試食イベントを開催しました。
同じオランダ企業のMeatableが4月に実施した培養ポークソーセージの試食イベントに続き、EU圏内での開催は2度目となります。
植物由来原料と培養牛脂肪をブレンド
オランダ政府は昨年、特定の安全が担保された環境下で試食イベントを開催する際の「実践規範」を制定。これにより、企業は販売認可の取得前に、試食提供の機会を設けることが可能になりました。
今年4月には、同じオランダのスタートアップ企業Meatableが、政府関係者なども出席したEU初の公式試食イベントでハイブリッドのポークソーセージを披露しています。
オランダ・マーストリヒトに構える世界最大の培養肉工場に併設されたテストキッチンで行われたMosa Meat待望の試食イベントには、国内の畜産農家、食品メーカー、業界関係者が招待されました。
Mosa Meatの開発チームは、社内で準備した植物由来原料のブレンドに、培養した牛脂肪を組み合わせたハイブリッドバーガーパティを作製。
この最適な配合比率はまだ検討中とのことですが、試食した参加者は「ジューシーで本物の肉の味がする」と評したといいます。
共同創業者でCEOのMaarten Boschは、「植物性食品の食体験を向上させ、より多くの牛肉愛好家を喜ばせることができるだろう」と語っています。
シンガポールでの販売認可取得に期待
Mosa Meatは今年4月、培養肉企業として史上2番目の規模となる4,000万ユーロ(約67億1,000万円)の調達を行いました。
現在の厳しい投資環境にもかかわらず、Lowercarbon Capital、M Ventures、Invest-NLなど多くのベンチャーキャピタルに加えて、欧州最大級の養鶏業者であるPHW Groupの誘致にも成功しています。
今回のイベントの開催場所となったマーストリヒトの工場では、1,000リットルのバイオリアクターを導入しており、数万個の培養ハンバーグを生産できる能力を構築。
同社の培養牛肉はシンガポール食品庁(SFA)へ認可申請を実施済みで、現在承認待ちの段階です。
シンガポールが当初9~12カ月としていた審査スケジュールには遅れが出ているようですが、SFAはこれまでにもGOOD MeatやVowの培養肉を承認しており、近い将来さらに複数の認可が予測されます。
参考記事:
Press release First NL Tasting – Mosa Meat Conducts First Pre-Approval Tasting of Cultivated Beef in the EU [EN]
Mosa Meat Hosts First Official EU Cultivated Beef Tasting, Experts Rave It “Really Tasted Like Meat!”
Dutch Startup Mosa Meat Hosts First Cultivated Beef Tasting in the EU
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