ポーランドのLabFarm、培養鶏肉の開発に対し約3.4億円の政府助成金を獲得

ポーランド初の培養肉企業LabFarmが、ポーランド教育・科学省の国立研究開発センター(NCRD)から、900万ポーランド・ズウォティ(約3億3,700万円)超の研究開発助成金を獲得しました。

エコシステム成長の鍵となる政府支援


分子生物学者のStanisław Łoboziak(CTO)と起業家のWiesław Macherzyński(COO)が2022年に共同で創業したLabFarmは、培養鶏肉の開発に焦点を当てています。

同社は個人所有であり、ポーランドの養鶏業者KPS Foodの代表を務めるJarosław Krzyżanowskiが主要投資家となっている様子。

非営利団体のProVeg InternationalGFI Europeは、ポーランド政府による培養肉業界への投資を歓迎する声明を発表しました。

ProVeg PolandのMarcin Tischnerは、「ポーランドが欧州の食料安全保障のため代替プロテインに投資する国の仲間入りをしたことを嬉しく思う。LabFarmの成功は、戦略的イニシアチブと支援がいかに食品業界の真の変革につながるかを示す一例だ」とコメント。

GFI Europeは、「このような政府からの資金援助は、ポーランドに限らず培養肉を手掛けるスタートアップ企業のエコシステムの成長を支援する上で、非常に重要だ」とSNSに投稿しています。

GFIは年一回発行する業界レポートでも政府支援の重要性を訴えているように、民間の資金調達環境が悪化する中で、各国政府によるさらなる取り組みが必要です。

ペットフードの試作品開発を計画


LabFarmは今年6月、細胞農業を積極的に支援しているProVeg Polandが主催した「New Food Forum」で、培養鶏肉ミートボールの試作品を発表しました。

今回の助成金獲得により、今後2年間で生産プラットフォームの規模を拡大させ、ペット用ウェットフードの試作品を開発する計画です。

EUでは、ペットフードに独自の表示要件があるものの、新規原料に対する個別の認可プロセスというのは存在せず、欧州飼料原料登録機関(European Feed Materials Register)への登録を行うことで販売が可能。

チェコのBene Meat Technologiesは昨年この登録を完了し、今年5月に開かれた「Interzoo」で初のペット用培養肉製品を発表しました(発売については未定)。

Meatlyは先月、英国でペット用培養鶏肉の販売認可を取得。EUを離脱した英国では認可が必要となっていますが、これをクリアし年内の製品発売を予定しています。

参考記事:
ProVeg welcomes Poland’s €2m investment in cultivated meat company | ProVeg International
Polish Government Backs LabFarm With €2M Grant for Cultivated Chicken
Poland’s LabFarm awarded €2m from NCBR | The Cell Base

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