米国の植物性チーズメーカーPlonts、ステルスモードから脱却し外食向けに製品を発売
米国・カリフォルニアに拠点を置くPlonts(旧称:Tezza Foods)が、初の製品となる植物由来の熟成チェダーチーズを、ニューヨークとサンフランシスコのレストラン数店舗で発売したと発表しました。
資金調達と同時にステルスから脱却
Nathaniel ChuとJosh Moserが2019年に設立したPlontsは、自らを「安価な植物を新しいカテゴリーの持続可能な発酵食品へと変える微生物群の発見・設計を行う公益法人」と表現。
Sir Kensington’sやRXBARの創業者を含む強力なアドバイザーに支えられ、植物性代替肉のパイオニア企業Impossible Foodsからも2人のメンバーを招き入れています。
初期の開発のためステルスモードで何年も取り組んできた同社は、Lowercarbon Capitalが主導したシードラウンドで1,200万ドル(約17億7,000万円)の資金調達を実施。続けて、カリフォルニア州内にパイロットプラントの開設を発表しました。
同社初の製品は、ニューヨークとサンフランシスコのレストラン数店舗で採用され、ハンバーガーなどの一部として提供されます。
植物や微生物が持つ美味しさを発見
大豆をベースに発酵と酵素の力により作られるPlontsの代替チーズは、伝統的な熟成チェダーチーズ特有の「臭み」と風味、溶けて伸びる性質をすべて持っているとのこと。
また、ほかの植物性チーズはタンパク質含有量がゼロであることが多いのに対し、同社のチーズは1切れあたり約3gのタンパク質を含有。栄養面でも優れた製品となっています。
同社によると、研究開発の取り組みは「牛肉や乳製品の真似をすることではなく、植物や微生物が持つ美味しさの可能性を発見すること」。栄養価が高く持続可能な新製品の発売により、チーズの新たなカテゴリーを創造するとしています。
同様の取り組みを行っている企業としては、カシューナッツをベースにするMiyoko’s Creamery(米国)、オーツ麦を用いるDaiya Foods(カナダ)、カボチャの種やライ豆を用いるClimax Foods(米国)、エンドウ豆タンパク質を用いるStockeld Dreamery(スウェーデン)などが挙げられます。
参考記事:
Plonts Emerges from Stealth Using $12M to Bring “Plant-Based Cheese That Stinks” to US Restaurants
Who cut the plant-based cheese? Plonts did with microbes, and it’s stinky | TechCrunch %
This Stinks! Fermented Vegan Cheese Maker Plonts Stretches Budget with $12M Seed Investment
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